欧州

2023.08.05

猛暑の欧州でフードデリバリー各社が午後の配達を一時停止

Photo By Alejandro Martinez Velez/Europa Press via Getty Images

ヨーロッパ各地で猛暑が続く中、現地のフードデリバリー各社は営業の一時停止を余儀なくされている。

南ヨーロッパの都市を40度を超える熱波が襲う中、現地の当局は配達員が暑さのピーク時に業務を行わないよう指示を出している。ここ数年の最高気温を記録したギリシャとキプロスの当局は、午後の最も暑い時間帯にフードデリバリーを停止するよう命じている。

地中海沿岸の数カ国で事業を展開するDoordash(ドアダッシュ)傘下のWolt(ウォルト)の広報担当者によると、同社はギリシャとキプロスでそのような命令を受けたという。同社は、ギリシャ国内のオペレーションを、気温が40度を超えた日の午後12時から午後5時まで中止した。さらに、キプロスにおいては、国立気象局の警報を毎日確認し、オレンジまたは赤の警報が出た場合は配達を中止すると述べている。

ただし、最も厳しい警戒レベルである赤色警報はまだ発令されておらず、マルタ共和国においても近隣諸国と同様の指令は出されていないという。

熱波の影響を受けている国々でデリバリーを行う企業は、配達員に指導を行なっているが、政府からの命令が出されるまでは全面的な中止を命じていない。

デリバリーヒーローが所有するスペイン企業のGlovoは、休憩を取るタイミングをライダーが選択できるようにしていると述べている。

「当社は、配達員に水分補給をさせるために給水キャンペーンを実施している。地元のレストランや小売店との協力を通じて、ライダーに水筒を配布する取り組みも行っている」とGlovoの広報担当者は述べている。

欧州のフードデリバリーのもう1つの大手のDeliveroo(デリバルー)も、配達員に水を提供する試みを行っている。「私たちにとって、ライダーの健康と安全は非常に重要だ。猛暑の間はライダーと定期的に連絡を取り合い、水筒を利用できるようにしている」と同社は述べた。

7月の大半にわたって欧州を灼熱にした熱波を、イタリア気象協会はダンテの「神曲」に登場する3つの頭をもつ地獄の番犬にちなみ「ケルベロス」と命名した。この熱波はギリシャやイタリアなどの南部の国々を40℃を超える高気温にし、最悪の被害をもたらした。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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