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2023.08.04

アマゾンの「オンライン診療所」が全米50州で利用可能に

Photo by Smith Collection/Gado/Getty Images

アマゾンは8月1日、バーチャル診療所サービスの「アマゾン・クリニック」を全米50州とワシントン D.C.に拡大すると発表した。

昨年11月に始動したアマゾン・クリニックについて同社は、「尿路感染症や結膜炎、勃起不全など30以上の一般的な健康上の懸念に対して、必要なケアを迅速に受けられるマーケットプレイス」と説明している。このサービスは、アマゾンの顧客を「バーチャル・ケアを提供する臨床医」と結びつけるものとされている。

「アマゾン・クリニックを利用すれば、全米50州とワシントンD.C.の顧客は、自宅にいながら便利で、手頃な価格で、信頼できるケアを受けられる」とアマゾンは発表の中で述べている。このクリニックは現在、全米でビデオ診察をサポートしており、モバイルアプリを通じて24時間365日、臨床医に直接アクセス可能という。

アマゾンは、今から数カ月前に39億ドルを投じてワン・メディカルを買収し、地域医療システムへの参入を果たしていた。ワン・メディカルは全米28以上の市場で220以上のプライマリ・ケア・オフィスを運営している。

アマゾンのヘルスケア事業への参入は、CVSヘルスやウォルグリーンズ、ウォルマートといった既存の大手が、店舗にヘルスケアサービスを追加するために数十億ドルを投じている中で実現した。

アマゾンは、ヘルスケア関連のベンチャー企業が医療サービスへのアクセスを増やし、高い透明性と利便性を提供すると述べている。「アマゾン・クリニックで顧客は、いつでもどこでも日常的な健康上の悩みを医師に相談できる。さらに、費用は受診の前に確認できる」と同社は述べている。

バーチャル・ケアの拡大とワン・メディカルの買収は、アマゾンの小さいながらも成長しているヘルスケア事業の拡大に役立つだろう。また、2018年のPillPack(ピルパック)の買収後に立ち上げたアマゾン薬局の事業にとっても追い風になりそうだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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