なぜ「脱肉食」が世界で広がっているのか?

「脱肉食」のメリットとは

環境問題や動物福祉、健康への意識の高まりから「脱肉食」が世界中で広がりを見せている。

観光庁の資料によると、ベジタリアン・ヴィーガンの年平均増加率はアメリカ(中南米を含む)が3.9%、ヨーロッパが2.6%となっており、2018年には全世界で約6.3億人に達している。

今回は、ミートフリーのメリットと脱肉食に関連する世界の動きをまとめていく。

ミートフリーのメリット

1.温室効果ガス排出量を削減
畜産業はCO2換算で年7.1Gtを排出しており、これは人間の活動により排出される温室効果ガスの14.5%に相当する。

2.ダイエット効果が期待できる
野菜はカロリーが低く食物繊維も豊富に含まれるため、ダイエット効果が期待できる。

3.動物にやさしい
植物性食品が中心の食生活を送ることで過酷な環境で飼育される動物を減らせる。

1kgのステーキ肉を作るには?



1kgのステーキ肉を作るには、25kgの穀物と1万5000Lの水が必要になる。

家畜は生き物なので、食事のほとんどは生きるために消費される。例えば、牛は与えられたタンパク質のわずか4%、カロリーは3%しか牛肉に残らない。

地球上の農地の実に83%が、家畜を飼育するための牧草地や飼料用作物の栽培に使われている。

2020年のアカデミー賞は100%ヴィーガン料理を提供

2020年に開催された第92回アカデミー賞授賞式では、ノミネーターが集まる昼食会と授賞式当日の会場のロビーで100%ヴィーガンの料理が提供された。

また、アカデミー賞関連のすべてのイベントでペットボトルに入った飲料が排除された。

その前に行われた2020年のゴールデン・グローブ賞候補者らが集まるディナーでも、完全ヴィーガン料理が提供された。

アメリカの人気レシピサイトが牛肉レシピの掲載を停止



2021年、アメリカの人気レシピサイト「Epicurious」は、気候変動への対策として牛肉を使った新しいレシピは公開しないと発表した。

牛肉レシピの掲載停止は、実際には1年前から予告なしで行っていたものの、サステナブルな料理について会話を広げるために大々的な発表に踏み切ったそうだ。

海外では牛肉の環境負荷を問題視する人が増えており、日本も無関心ではいられない状況になっている。
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文=エシカルな暮らし編集部

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