VC

2023.08.02 13:00

ジョブズの息子が「がん治療支援のVC」設立、2億ドル調達

Reed Jobs(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズの息子リード・ジョブズ(31)は、がんの新たな治療法に資金を提供するベンチャーキャピタルを立ち上げ、著名投資家から2億ドル(約286億円)を調達している。ニューヨーク・タイムズ(NYT)が8月1日に報じた。

ヨセミテと呼ばれるこの会社は、ジョブズの妻のローレン・パウエル・ジョブズが2004年に設立した慈善団体「エマーソン・コレクティブ」の一部門として設立され、ベンチャー投資家のジョン・ドーアやメモリアル・スローンケタリング・がんセンター(MSKCC)、ロックフェラー大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)などから2億ドルを調達した。

ヨセミテという社名は、ジョブズとローレンが結婚式をあげた場所であるヨセミテ国立公園に由来しているとNYTは伝えている。同社は、営利事業として運営されるが、ドナー・アドバイズド・ファンド(DAF)と呼ばれる寄付アカウントを維持し、有望なアイデアを支援していくとされる。

リードはNYTの取材に、次のように述べている。「私はベンチャーキャピタリストになりたいと思ったことは一度もなかった。しかし、実際に何かをインキュベートするときに、どのような方向性にそれを導き、どのような科学的フォーカスを当てるかによってとてつもない違いを生み出すことができることに気づいたのです」

フォーブスは、パウエル・ジョブズの保有資産を143億ドルと推定している。

ローレン・パウエル・ジョブズは2004年にエマーソン・コレクティブを設立し、2011年に膵臓がんで亡くなったジョブズから相続した数十億ドル相当のアップルとディズニーの株式を注ぎ込んだ。かつてがん専門医を目指していたリード・ジョブズは、医学部を中退した後に、同団体のマネージング・ディレクターを務めている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事