片山右京、ツール・ド・フランス視察と欧州遠征で見えた現実と希望

選手・チーム育成を強化しないといけないとともに、そうした巨額の資金を半永久的に集めることができる仕組み、文化を早く作りあげないといけないのだと、本場に行って強く実感しました。

プロスポーツ収入の大半は、スポンサー収入です。スポンサーが離れてしまった時にチーム運営が継続できなくなるケースも後を絶ちません。だから僕はいま、デジタルを使って新しいビジネスモデルをつくりあげる挑戦をしています。この話は、今度別にゆっくりしますね。

とにかく、あのシャンゼリゼ通りを封鎖し、世界各国から1500万人が観戦にやってきて、190カ国で35億人が視聴するツール・ド・フランスの熱狂と興奮を、僕たちの挑戦で日本の皆さんにもっともっと届け、盛り上げていきたいです!

全日本で前代未聞のワンツー達成

そして、JCL TEAM UKYOの活動にハイライトが! 6月下旬に開催された全日本自転車競技選手権大会 ロード・レースで山本大喜選手が初優勝、岡篤志選手が2位、タイム・トライアルで小石祐馬選手が優勝、山本大喜選手が2位と前代未聞のワンツーフィニッシュ。2種目ともでナショナルチャンピオンに輝くことができました。勝って当然のメンバーで臨むプレッシャーのなか、見事にやってくれました!
ロードレースで優勝した山本大喜選手|タイムトライアル1位の小石祐馬選手(写真中央)と2位の山本大喜選手(写真左)

ロードレースで優勝した山本大喜選手|タイムトライアル優勝の小石祐馬選手(写真中央)と2位山本大喜選手(写真左)

JCL TEAM UKYO

JCL TEAM UKYO メンバー

ヨーロッパ遠征では世界の壁

続いてヨーロッパ遠征。今年一番の山場、スペインで2レースに出場してきました。

まずは7月25日オルディシアでの100年の歴史をもつレース。ワールドチームが5チーム出場するハイレベルな大会で、岡篤志選手が山岳ポイントを7回中4回獲得しましたが、山岳賞確定直後のレース後半にハンガーノック(激しい長時間運動中に極度の低血糖状態に陥りエネルギー切れになること)によるコンディション不良でタイムオーバーに。掴みかけた名誉あるジャージを逃してしまいました。

ハンガーノックになってしまったことは、選手だけの責任ではなく、チームのマネジメント不足でもあります。しかし、こうしたハイレベルなレースでも日本人が目立つ走りで最高のパフォーマンスができたことは、実力であることは間違いないし、可能性を感じることができました。
エスケープ集団で山岳ポイントを4回獲得した岡篤志選手

エスケープ集団で山岳ポイントを4回獲得した岡篤志選手


続いて30日にゲッチョで開催されたレースは、ワールドチーム6チームが出場する、さらにレベルの高い大会でした。
次ページ > 厳しい現実からの学び

写真=ジャパンサイクルリーグ 編集=宇藤智子

タグ:

連載

Forbes Sports

ForbesBrandVoice

人気記事