世界中の企業が生成AIに関心を抱いたり投資を行う中、このツールの誤回答などのリスクから企業を守ることが重要な課題となっている。マッキンゼー・グローバル・インスティチュートは、生成AIが年間2兆6000億~4兆4000億ドル(約627兆円)もの経済効果をもたらすと試算している。
キャップジェミニ(Capgemini)が公表した最新の調査によると、米国のビジネスリーダーの81%が生成AIを強く支持しており、調査を行った米国企業の61%がすでに生成AIの専門チームと設立し、予算化も行っているという。調査対象となった世界の企業経営者の70%は、生成AIによって知識労働者の役割範囲を拡大することが可能になると考えている。
経営者の間で、生成AIに対する興奮と期待が高まっているのは明白だが、この新技術のリスクに対する備えはできているのだろうか? マッキンゼーが公表した最新のグローバルAI調査によると、調査を行った組織の半数以上がAIを導入しているにもかかわらず、その大半が従来のAIに関するリスクに対応していないという。
AI21のContextual Answers APIは、エンドユーザーからの自由形式の質問に対し、企業が保有するデータに基づいて根拠ある答えを提供することで生成AIが持つリスクを軽減している。幻覚を防ぐため、企業がアップロードしたヘルプセンターのライブラリや社内のナレッジベースなどにのみ基づいて正確な回答を返すように設計されている。
企業の顧客から自社の従業員まで、あらゆるエンドユーザーはこの機能を使って自由形式の質問を書き込むことができる。例えば「このアプリはアンドロイド端末でもダウンロードできますか?」や「従業員証の紛失届はどのように提出すればよいですか?」と質問すると、AIモデルが企業がアップロードしたナレッジベースに基づいて簡潔な回答を提供してくれる。これにより、エンドユーザーはカスタマーリレーションズや人事などのチームに問い合わせる手間が省ける。
Contextual Answersは、機械学習・自然言語処理の経験や、エンジニアリングの知識がほとんどなくても実装することができるという。
「企業がAIモデルを社内データに適応させるなど、生成AIを中心に組織を再編成したときにこの新しいテクノロジーによる恩恵は最大化される。それには時間と資金、そして何よりも競争力を高めようとする意欲が必要だ」とエコノミスト誌は述べている。
(forbes.com 原文)