だがチームの収益見通しは依然として力強い。
格付け会社フィッチ・レーティングスは7月28日、Yankee Stadium LLC(StadCo)に代わって発行されたニューヨーク市産業開発局(NYCIDA)のレベニュー債(シリーズ2006、2009、2020、ヤンキー・スタジアム・プロジェクト)と賃貸収入債(シリーズ2006、2009、ヤンキー・スタジアム・プロジェクト)の格付けをBBB+に据え置いた。これらは2009年にオープンした同スタジアムの資金調達のために発行された債券だ。フィッチはまた、格付けの見通しは安定的だとしている。
ヤンキースは野球界で最も価値のある球団で、資産価値は71億ドル(約1010億円)だ。2022年にはレベニューシェアリングとレベニュー債支払いを差し引いた収益が6億5700万ドル(約92億円)となり、MLBで最も多かった。
フィッチのレポートは、球団のブランド価値、ファンからの一貫した強い支持、そして球場からの収益を指摘している。「MLBの一流フランチャイズとしてのヤンキースの強みと、巨大なニューヨーク経済が支えてきたプレミアムシートへの旺盛な需要により、不況時にもファンが強く支持し続けてきた。2023〜40年のStadCoレベルの平均元利金返済カバー率(DSCR)は2.6倍となっており、返済向けに割り当てられた収益(割当収益)が、担保としてStadCoの運営費、元利金支払い、リース債務を強力にカバーしている」と書いている。
実際、ヤンキースは最近、球界で最も大きなジャージーパッチ(ユニフォーム袖の広告)契約を結んだ。スター保険との契約では、2030年まで約1億9000万ドル(約270億円)、年平均2500万ドル(約35億円)が支払われる。