また、この運動では筋肉を一定時間緊張させ、弛緩させることを繰り返すうちに筋肉内の血流が改善されることから、血圧が低下する効果も見込まれる。
アイソメトリックにはもう1つ利点がある。それは、比較的簡単にできるという点だ。うつ伏せの状態で肘を曲げて床につき、つま先で体を持ち上げてその姿勢をキープするプランクは、床か地面があればどこでもできる。空気いすも、壁に背中を付けて立ち、端を少し離して膝を90度まで曲げ、しばらくキープしてからゆっくり立ち上がるというものなので、必要なのは壁だけだ。
プランクは最低30秒は姿勢を保ち、それを1日2〜3セットするようにしたい。慣れないうちは30秒もたたないうちに体が震えてくるかもしれないが、心配ない。そういう場合はもっと短い時間から始めて、合計で30秒2〜3回分になるようにすればいい。
空気いすは2〜3回のセットを週に3回はするようにしたい。このエクササイズは退屈に思えるかもしれないが、電車やバス、注文などを待っている間など、日々の生活のちょっとした合間にやることもできるだろう。
繰り返しになるが、アイソメトリック・エクササイズだけを毎週やればよいという話ではない。世界保健機関(WHO)は成人について、週に少なくとも150~300分の中強度の有酸素運動(または少なくとも75~150分の強度の有酸素運動)と2日以上の筋力強化運動を推奨している。これにプランクや空気いすなどを追加するようにしよう。
1日の大半を座って過ごしているという人は多いだろうから、そのうちの少しの時間、背もたれを壁に代えてスクワットしてみるのもよいかもしれない。
(forbes.com 原文)