スタンフォード大学で経済学の客員講師を務めた経験をもつカンナは、米国の武器のサプライチェーンが注目を浴びるようになったのは、パンデミックの間の全体的なサプライチェーン混乱を受けてのことだと説明する。「世界のサプライチェーンの脆弱性は、十分に認識されてこなかったと思う。パンデミックで、多くの人々が危機感を覚えた」
また、近年の米中関係に対する落胆も背景にあるとカンナはいう。「これまでは、(政治学者の)フランシス・フクヤマがいう『歴史の終わり』が訪れ、中国は民主化に向かうという見方があった。世界が難局を迎える可能性について、楽観しすぎていたのかもしれない」と、カンナは述べ、国防装備をどれだけ中国からの輸入に依存しているかを把握する差し迫った必要性が認識されていなかったと述べた。
カンナは2023年、注目度の高い米下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会」のメンバーに指名され、中国通の議員たちのあいだで注目を浴びた。オバマ政権下で商務次官補代理を務めたカンナには、『Progressive Capitalism: Making Tech Work for All of Us(進歩的資本主義:テクノロジーをすべての人に役立てる)』や『Entrepreneurial Nation: Why Manufacturing Is Still Key to America’s Future(起業家国家:それでも製造業が米国の未来の鍵を握る理由)』といった著書がある。
皮肉なことにカンナは、自身の手による修正を含む包括的歳出法案に賛成票を投じなかった。「委員会でも議場でも反対した」と彼は述べ、中絶の権利の制限など、その他の修正を理由にあげた。
予算法案は現在、上院でさらなる審議が重ねられている。カンナの予測では、社会保障に関する部分を一部削った修正法案が「8月中」に提出される見込みだ。
(forbes.com 原文)