オルビスは、オンライン販売の需要が高まる一方、深刻化する人手不足、エネルギーや物資の価格高騰に対応しようと通販向け出荷ラインに搬送ロボットを導入するなど自動化を進めてきたが、さらなる効率化が期待できる要素として「梱包のサイズダウン」に着目した。それまで現場の熟練者が商品を見て、それに合う梱包を選んでいたが、箱が必要以上に大きくなり、輸送コストなどへの影響が少なくなかった。
そこでオルビスは、JAXAベンチャーとしてデータサイエンスを活用した事業を展開するDATAFLUCTと共同で梱包サイズを最適化する機械学習モデルを開発し、今年の2月から6月にかけて実証実験を行った。その結果、従来方法で選択した梱包サイズよりも小さくできたパッケージが、全体の約15パーセントにのぼった。
このシステムは、DATAFLUCTの機械学習サービス「Perswell」(パースウェル)とデータプラットフォーム「AirLake」(エアーレイク)を組み合わせ、オルビスの商品データ、出荷データ、梱包材価格データをもとに、商品を傷付けないぴったりサイズの梱包を提案する。アパレル商品などは、畳み方を変えたり袋の空気を抜くなどの作業で梱包を小さくできるが、そうした工夫が加味されるのがこのシステムの特長だ。Perswellが提示する梱包サイズを見て、経験の浅い担当者でも即座に最適な梱包材を選ぶことができる。梱包が小さくなれば消費者も助かるが、輸送や保管にかかる経費やエネルギーも削減できる。
DATAFLUCTは、2022年4月にポーラ・オルビスホールディングスと業務提携し、同社のあらゆる業務の最適化を目指している。
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