海外

2023.08.01 16:30

救え!工場の人手不足 ロボットで手作業再現

Forbes JAPAN編集部

Roman Holzl Robco共同創業者兼CEO

工場で繰り返される膨大な手作業。労働力不足が続く欧米でいま、その景色が変わり始めている。ヨーロッパ版「Forbes 30 Under 302023」に選出されたロマン・ホルツは、製造業者に低価格で作業ロボットをレンタルするRobcoを2020年に立ち上げた。

ミュンヘン拠点の同社は、作業自動化ロボットと制御ソフトを開発、レーザー彫刻やパレット積載、旋盤加工などの手作業を自動化している。ロボットは月額1000ドルからレンタルでき、労働時間や人件費を削減する。「数年後にはこの分野での人の出番はほぼなくなるでしょう」とホルツは言う。

ホルツの両親は工場を経営しており、その時々の経済状況により従業員を一時解雇しなければならない様子を目の当たりにしていた。工場が再稼働しても機械の一部は休止状態。工場の生産性を向上させたい。これが起業のきっかけとなった。

Robcoは小規模製造業者のニーズに対応した費用対効果の高いサービスで人気だ。誰でも扱いやすいUIとUXを備えたロボットは簡単に使用と制御が可能。受注先やプロジェクトが変わってもすぐに規格変更できる。

「高性能なロボットではなく、製造に関わる作業を確実にこなすロボットこそ、中小企業が求めているものです」。今後は品質検査などの分野でもロボットを導入予定。

「製造現場はまだまだ機械化・自動化する余地がある。世界中でロボットを配備し、課題を解決していきたい」


ロマン・ホルツ◎ミュンヘン工科大学で工学修士号取得、在学中にTesla等でインターン。のちハーバード大学などでヒューマンマシンインタラクションを研究する。2020年Robcoを共同創業。ヨーロッパ版「Forbes30 Under 30 2023」に選出。

文=フォーブス ジャパン編集部 写真=ゲリン・ブラスク

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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