脱炭素と従業員満足度を同時に実現し、EVを「自走可能な蓄電池」と位置づけ、必要に応じて地域の電力源として活用する分散型電力インフラを構築するものだ。サービスの第1号車が、鳥取県の金属加工企業ササヤマに納入された。
これを提供するのは、EVと充電設備のサブスク、専用電力プランの提供などの事業を行うHakobune(ハコブネ)。住友商事がこの4月に設立した。それらの事業をひとつのパッケージで提供する同名のサービスが鳥取県でスタートした。EVのサブスク契約をした企業は、昼間の時間帯に電力料金が安くなるHakobune専用電力プラン、またはオプションで設置できる太陽光発電設備でEVに充電し、それを従業員の通勤用に貸与する。
このサービスのメリットは、これまで個別に提供されてきたEVのサブスク、充電設備のレンタル、電力供給といったサービスをひとまとめにして導入しやすくしたことにあるが、車通勤が不可欠な地域では、従業員は通勤のほかプライベートにも自由に使えるEVが自己負担なしに手に入るという点もある。しかも余った電力を夜間に家庭で使うことが可能だ。企業がこのサービスを通じてまとめてEVを購入し、地域のEV化を促進させれば、従業員満足度の向上、脱炭素、分散型エネルギー社会の実現に加え、もしものときに病院などに電力を供給する社会インフラの構築にも寄与できる。
Hakobuneは「日本中のどの街で暮らそうとも、環境と調和しながら、しっかりと快適を享受できる」社会を目指し、この鳥取の第一号案件を皮切りに日本全国にサービスを広げてゆくとのことだ。
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