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2023.07.31 11:25

約500人が株主に ADDress「株式投資型クラファン」で最高額を達成

株式投資型クラウドファンディング挑戦への思いを語るアドレス代表 佐別当隆志

株式投資型クラウドファンディング挑戦への思いを語るアドレス代表 佐別当隆志

住まいのサブスクリプションサービス「ADDress」を運営するアドレス(代表・佐別当隆志)が、株式投資型クラウドファンディングに挑戦し、開始から3日目で国内最高額を達成した。
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2018年設立された同社は、定額制で全国の家に住める、多拠点コリビング(co-living)サービスを展開。「#全国創生」をスローガンに掲げ、多拠点居住を通じて、全国の活性化や日本中のコミュニティに新たな関係をつくるライフプラットフォームを提供している。

今回はスタートアップ企業に投資できる株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」を利用し、新たな個人投資家はもちろん、サービスのユーザーなども株主に迎え入れる「コミュニティラウンド」として、7月24日から資金調達に挑戦。同社とともに新しいライフスタイルである「多拠点生活」を推進する個人投資家を募った。

日本ではまだまだ馴染みの薄い株式投資型クラウドファンディングに、なぜいま挑戦したのだろうか。
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1時間で目標額達成、3日で上限に到達

7月26日に渋谷SOILで行われた株式投資型クラウドファンディングの説明会では、同社の代表取締役社長である佐別当隆志が登壇。メディア関係者や抽選で選ばれた個人投資家に向けて、「本当は、投資に対する説明会としてこの場で話をする予定だったが、実は先ほど9990万円の満額を達成した」と語り、想定を上回り、申込受付から3日目で株式投資型クラウドファンディングへの申込金額が上限の9990万円に到達したと説明した。

株式投資型クラウドファンディングは、アメリカでは7億円程度、イギリスで12億円程度を上限とする、海外で近年注目されているスタートアップ企業の資金調達手段となる。一方、日本での事例はまだ少なく、現在は1つの企業が株式投資型クラウドファンディングを利用して1年間で資金調達できる金額は、1億円未満と定められている。

アドレスは今回、株式投資型クラウドファンディングの申込受付を開始してから、約46分で目標募集額の3000万円に到達。その後に申込額が上限の9990万円に達したことで、イークラウド内における従来の最高申込金額だった6417万円も大幅に上回り、株式投資型クラウドファンディングにおける国内最高申込金額も更新した。

約500人を株主として迎えた「コミュニティラウンド」

株式投資型クラウドファンディングは非上場株式の発行により、インターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を集められる仕組みで、2015年の金融商品取引法改正に伴って可能となった資金調達手段。

佐別当は説明会で、今回の資金調達を「コミュニティラウンド」と銘打った理由について、「株式投資型クラウドファンディングを通してサービスの利用者や提供者にも株主になっていただきたいと考えた。また、はじめは株主として参画してもらい、その後にサービスの利用者や提供者になっていただきたいという思いが、今回の取り組みのきっかけ」と明かした。

今回の取り組みでは、個人投資家は10万円から申込可能で、最終的に495人が参加。佐別当は「株主が増えて大変だという気持ちではなく、約500名の方々が株主としてオーナーシップを持って参画いただけるという気持ちで、非常に心強いと思っている」と話す。

アドレスの創業当初にも株式投資型クラウドファンディングの活用を考えたというが、当時は法整備が整っておらず、株主増加に伴う事務処理もより煩雑だったことから断念。

一方、これまで個人が非上場のスタートアップに投資できる機会は極めて限定的だったものの、株式投資型クラウドファンディングの活用によって、スタートアップ投資のハードルは低減。近年はスタートアップへの資金供給強化策のひとつとして、株式投資型クラウドファンディングは政府においても、制度拡充の検討が進められている。
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文=小谷紘友 編集=督あかり

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