同社はオーストリア・ニーダーエスターライヒ州のビッタウ・ティーフ2a試掘井で良好な結果が得られたと発表した。予備評価では、可採資源量は約48テラワット時、石油換算で2800万バレルとされている。
OMVとオーストリアにとって、この発見の意義は計り知れない。ビッタウ坑井が本格的に稼働すると、同国での天然ガス生産量は50%増加するとOMVは期待している。
同社のアルフレッド・シュテルン最高経営責任者(CEO)兼会長は、5カ月間におよぶ操業の末に最終深度5000メートルで掘削された坑井による発見は、オーストリアにとどまらず欧州の顧客の供給確保に大きく貢献するだろうと期待をにじませた。「今回の探査結果は、OMVとその顧客にとって心躍るニュースだ。当社は天然ガスの供給源を多様化する戦略に取り組んでおり、今回の発見は、当社の天然ガスの供給網に大きく貢献するものであり、現地生産の増加が期待できる」
OMVは現在、同鉱区の評価を進めるためのさまざまな選択肢を検討しているほか、ビッタウから約10キロの場所に位置するアダークラアで自社が操業する天然ガス施設との連携も視野に入れている。
同社は、英石油・ガス大手BPとの液化天然ガス(LNG)の長期的な供給契約を結んだその日に、今回の発見を認めた。両社は共同声明で、2026年から10年間、年間最大100万トンのLNGを供給する売買契約の締結を発表した。本契約に基づき、BPはOMVにLNGを供給し、OMVが再ガス化能力を有するオランダ・ロッテルダムのゲートLNGターミナル、または欧州の他のターミナルを通じてLNGを受け入れ、再ガス化する。
OMVのシュテルンCEOは「BPとの契約はオーストリアと欧州の顧客への安定供給に対する当社の大きな貢献を反映している。2026年から10年間にわたるBPとの協力関係は、長期的な供給源の多様化と確保に向けた重要で戦略的な一歩となる」と歓迎した。
BPでLNGの国際取引を担当するジョンティー・シェパード部長は次のように述べた。「BPは、LNGはエネルギー転換に不可欠なものであり、当社が総合エネルギー企業になるために欠かせないものだと考えている。当社は長年にわたり関係を築いてきたOMVと、今回のLNG売買契約を締結できたことを喜ばしく思う。欧州は重要なLNG市場であり、今回のOMVとの契約は、同地域における当社のLNG供給能力を実証するものであり、欧州の顧客への安定供給を支えるものでもある」
(forbes.com 原文)