音楽

2023.07.29 13:30

テイラー・スウィフト公演、ファン熱狂でM2.3の地震起きる

Brian Friedman / Shutterstock.com

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米国で今年最大のコンサートツアーとなっている「THE ERAS TOUR」を開催中の人気歌手テイラー・スウィフトが、またもや「新記録」を達成した。地震学者によると、シアトルで先週末に開いた公演が、マグニチュード(M)2.3の地震を引き起こしたというのだ。
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米ウェスタン・ワシントン大学のジャッキー・カプランアワーバック教授(地震学)によると、シアトルのスタジアム「ルーメン・フィールド」で7月22、23両日に開かれた公演中、会場そばに設置された地震計がM2.3の地震を観測した。両公演のチケットは完売しており、会場は熱狂する14万4000人以上のファンで満杯だった。

地元紙シアトル・タイムズによると、カプランアワーバック教授は、3時間余りに及んだスウィフトの公演がこの地震と関連していたことは明らかだと指摘。この現象を「サイズミック・シフト(地殻変動)」ならぬ「サイズミック・スウィフト」と名付けた。

地震学者たちは、公演のセットリストを地震計の記録と突き合わせ、揺れが起きたときにスウィフトがどの曲を歌っていたかを推測する遊びに興じている。地元地震観測機関、太平洋岸北西部地震ネットワーク(PNSN)のある職員は、楽曲の音波を地震活動の記録と比較し、スウィフトがヒット曲の「ブランク・スペース」や「シェイク・イット・オフ」を歌っていた部分を特定した。
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なお、シアトルは複数の断層線の真上に位置していることから、地震が頻繁に発生する。

これまでルーメン・フィールドで起きた最大の地震は、2011年に米プロフットボールNFLの地元チーム、シアトル・シーホークスの試合で発生したものだった。シーホークスがニューオーリンズ・セインツと対戦したこの試合では、ランニングバックのマーショーン・リンチがタッチダウンを決めた際、サポーターが一斉に歓喜し、M2.0の地震が発生。この現象は、リンチのニックネームにちなんで「ビースト地震」と呼ばれた。

カプランアワーバック教授によると、ルーメン・フィールドでは2022年8月にも、人気歌手ザ・ウィークエンドの公演で地震が発生。その規模は「ビースト地震」をわずかに上回ったとみられるものの「サイズミック・スウィフト」には及ばなかった。「サイズミック・スウィフト」の規模は「ビースト地震」の2倍だったという。

同教授はCNNテレビに対し、コンサートでは公演の長さや、音楽のビート、スピーカーといった要素によって、地面の揺れがフットボールの試合よりも強くなる傾向にあると説明している。

スウィフトの「THE ERAS TOUR」は、興行収入が3億ドル(約420億円)を突破し、今年最大のコンサートツアーとなっている。全米ツアーは2週間後に幕を閉じ、8月24日からはメキシコを皮切りに海外ツアーが始まる。

フィラデルフィア連邦準備銀行などは、スウィフトの公演が地元観光産業に大きな経済効果を与えたと報告。フォーブスは、このツアーによりスウィフトが近く、保有資産が10億ドル(約1400億円)以上の「ビリオネア」となると予想している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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