「お得追求派」VS「支援したい派」双方で地方の持続可能な社会へ
そもそも、ふるさと納税を行う人は、御礼の品選びを目的としている「お得好き派」と、「生産者・事業者を支援したい派」の社会貢献型という2つに分かれるようだ。事実、ふるさと納税歴が通算1年と答えた人のうちの約半数は、「お得な品を見つけるのが楽しい」と回答している。これは、昨年から今年の物価高騰が顕著だった経済事情も背景にあるといえよう。一方、「生産者・事業者を支援したい派」は、社会に対して強い関心を寄せており、地域課題解決の為の「クラウドファンディング型ふるさと納税」への認知度や寄付経験の割合も高い。
過去には、幾多の災害を契機に地方再生を掲げてスタートした「ふるさと納税」だが、今や地方再生のボトムアップへと意識改革が高まっている。また、ふるさと納税をきっかけとした寄付者の行動変容が生まれ、地方の関係・交流人口創出につながることも如実に表れた今回の調査。ふるさと納税の利用者は地方の美味しい名産品に惹かれているだけではなく、スポーツやアウトドア用品といったカテゴリーへの関心も高い事が顕著に見られた。
トレンドは体験型!その未来に広がるのは、無形の資産
今後もさらに市場規模が広がると想定される「ふるさと納税」だが、トレンドとなりそうなものが3つある。1. 体験・旅系の返礼品2. ホビー返礼品3. クラウドファンディング、だ。この調査を機に、ふるさと納税が、単に多額な寄付額を競争するものでは語れないという社会に於ける側面が見えてきた。地域活性化を契機として、交流人口増加への寄与や、ポジティブな活動が社会に与える影響。つまり、「ふるさと納税」とは、資金だけでなく、人や情報といった「無形の資産」をも注ぎ込むことができ、その結果、私達が豊かに暮らせる環境や、新たな可能性を創出していく好循環を生み出す基盤なのであった。