日本の「ブロックチェーンゲーム」幕開け DMMグループは経済圏確立へ

日本最大級のスタートアップカンファレンスである「IVS 2023 KYOTO/IVS Crypto 2023」が、6月28日から6月30日まで京都市で開催された。
 
初日には、IVS Crypto 2023のサイドイベントが、「Oasys Special Event」と題して中京区の二条城で行われ、大手ゲーム開発事業者が、新作の「ブロックチェーンゲーム(BCG)」の開発状況や公開時期を発表した。
 
BCGとは、文字通りブロックチェーン技術を活用したゲーム 。参加者が接続するパソコンに、データや取引情報を分散させ、ハッキングやデータ消失を防ぐことができるほか、暗号通貨などを獲得することで収益を得ることができるものもある。
 
また、アメリカ生まれのチャットサービスであるDiscordなどのSNSで会話をしながらゲームを行う「コミュニティ性」を持つのも特徴だ。

日本のWeb3事業に注目が集まる理由

BCGとしては、海外では現実世界を歩いたり走ったりすることで暗号通貨を稼げる「STEPN(ステップン)」や、NFTモンスターを収集して育成して他のプレイヤーと競わせ暗号資産を獲得する「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」などが有名だ。なかには1日のアクティブユーザーが数百万人に及ぶBCGもある。
 
Web3業界は、暗号資産取引所「FTX」が2022年11月に経営破綻し、それ以降「冬の時代」が到来したとの見方も広がっている。一方で日本は、国内の暗号資産取引所がすべて金融庁の規制下に置かれるなど厳格な管理体制が敷かれており、FTX破綻などによる大きな影響はあまり見られない。
 
BCGを開発する「double jump.tokyo」 CEOの上野広伸氏は、日本の現況を次のように話す。
 
「日本は『Web3に対する規制が厳しい』と、事業者などからは決して良い見方はされていませんでした。しかし、そうした環境ゆえにFTX破綻などから身を守ることができました。日本のWeb3環境の安全性に加え、強みであるIP(知的財産)を使ったWeb3ビジネスに海外から注目が集まっています」
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double jump.tokyoによる発表

今回のイベントでは、「セガ」や「バンダイナムコエンターテインメント」、「MIXI」などのゲーム事業者が登壇。なかでも「DMM.com」のグループ会社「DM2C Studio」は「コインムスメ」「かんぱに☆ガールズ RE:BLOOM」「神櫓-KAMIYAGURA」の3タイトルについての情報を発表した。
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文=露原直人

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