気候・環境

2023.08.03 07:00

「世界で最も暑い日、暑い月」記録更新 いま知っておくべき気候変動


3. 自然と気候に関するその他のトップニュース

プラスチック消費に起因する排出量が、自動車の排出量と同程度になる可能性があることが、新しい報告書で明らかになりました。オーストラリア海洋保護協会の報告によると、同国におけるプラスチック消費による排出量は、自動車570万台の排出量に匹敵します。これは、オーストラリアの路上を走行する自動車の3分の1以上に相当します。

海面水温が記録的水準に達したことを受け、米国の予報士らは熱帯性暴風雨の予測を再度引き上げました。コロラド州立大学による、今年の大西洋のハリケーンシーズンに関する予測では、名前の付けられる暴風雨の数は18、ハリケーンは9つ発生し、そのうち4つが猛烈な暴風雨になる可能性があるとしています。

マレーシア政府は、7月7日、エルニーニョ現象が2024年の最初の数カ月にピークに達する可能性があるとの予測を公表しました。同国では、エルニーニョ現象の初期の兆候である高温と乾燥した天候が長期化しており、マレーシア最大のパーム油生産州であるサバでは水不足によって作物の収量が減少するなど、すでに影響が表れ始めています。

ロンドンにある国連国際海事機関本部では、海運業界は「2050年頃までに」排出量ネットゼロを達成しなければならないという、新たな協定が成立しました。しかし、環境保護活動家たちは、この協定では世界の気温上昇を1.5℃未満に抑える目標を達成できないと指摘しています。

米国地質調査所によると、米国内の水道水サンプルのほぼ半数に、有毒な「永遠の化学物質(forever chemical)」が含まれています。合成ペルフルオロアルキルまたはポリフルオロアルキル物質は、洗剤やピザの箱など幅広い家庭用品に使用されますが、この物質の一つ以上が安全な水準を上回って含有されているサンプルが45%ありました。

国際原子力機関(IAEA)は、2年にわたる審査を経て、福島第一原発の放射能処理水を海洋放出する日本の計画を承認しました。ロイター通信によれば、IAEAは、この処理水放出が人や環境に与える放射能の影響は「無視できる程度」であるととしています。

4. 自然と気候の危機に関わるその他の課題

今年は多くの国で気温の記録が更新されており、気候科学者は、2023年が記録上最も暑い年になる可能性があると指摘しています。このような予想が出される主な要因は、炭素排出量の増加と気候変動にあり、エルニーニョ現象の再来が予測されていることも一因になっています。

ソマリアは、ほかのサハラ以南の国々と同様に、気候変動による人的影響に苦しんでいます。ソマリア連邦政府の干ばつ人道問題大統領特使事務局のアブドラフマン・アブディシャクール・ワルサミ氏は、サステナブルな農業、地域システム、テクノロジーの観点から、同国がレジリエンス(強靭性)を築く4つの方法を紹介しています。

都市の人口は増加し続けていますが、これが気候危機を解決する鍵にもなります。世界銀行は、よりレジリエントで環境に優しく、一段と包摂的な都市環境を設計する上での課題、およびこれに取り組むために必要な戦略について、概要をまとめました。


(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Kate Whiting, Senior Writer, Forum Agenda

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