「FOODCODEではカレーのメニューや、注文アプリをはじめとするシステムプラットフォームの開発、マーケティングと顧客管理、そして店舗のオペレーションまで全プロセスを自社でつくりこみ垂直統合しています。プラットフォーム、またはオペレーションのどちらかだけをひたすら磨くことをしていたら、おそらくこの仕組みはできなかったと思います」
カレーもテクノロジーも自社開発
FOODCODEにはCEOの西山氏の他に2名のキーパーソンがいる。CTOの平井祐樹氏はモバイルアプリを内製開発する組織を立ち上げ、デジタルテクノロジーのエンジニアリング全般を担っている。そして厨房長の肩書きも持つCCOの渡辺雅之氏が、カレー研究家としてTMCのメニューを開発している。3人がTMCの強靱な骨格を築いた。CCOの渡辺氏が開発したカレーはおいしいだけでなく、健康志向であることもファンを惹きつけている。スープは小麦粉不使用。ライスをコールスローに置き換えるオーダーも受け付けているのでとにかく食後に血糖値が上がりにくいカレーが楽しめる。
ヘルシー志向のカレーを提供するチェーン店として、TOKYO MIX CURRYを他にないカレーショップにしたいと語るFOODCODEの西山亮介氏
一般に米や小麦粉をベースにした食事をとると、血中の糖分が急激に上昇して眠気や倦怠感を引き起こすと言われている。多くのビジネスパーソンから「TMCのカレーは食べても眠くならないし、仕事の効率が落ちにくい」という評判が得られたこともTMCには追い風になっている。健康志向のカレーショップというイメージが定着しているためか、現在、TMCを頻繁に利用する顧客の男女比率は、およそ6対4の割合で女性の方が高いという。