北米

2023.07.27 12:15

メタが予想以上の好決算で株価上昇、メタバースの損失も縮小

池田美樹

Shutterstock

メタが7月26日に発表した第2四半期決算はウォール街の予想を上回り、株価は上昇した。昨年2月に暴落した同社の株価は、秋から続く上昇をさらに延長し、メタバースでのつまづきを過去のものにしようとしている。

第2四半期の売上高は320億ドル(約4兆5000億円)で、市場予想の311億2000万ドル(約4兆3000億円)を上回った。純利益は78億ドル(約1兆1000億円、1株当たり2.98ドル)で、アナリスト予想平均の同2.92ドルを上回った。

これにより、第2四半期は同社がフェイスブックからメタに社名を変更した2021年以来で最も収益性の高い四半期となった。決算発表の中で、メタは第3四半期の売上高を、アナリスト予想の311億ドル(約4兆3000億円)を上回る、320億ドル(約4兆5000億円)から345億ドル(約4兆8000億円)と予想した。

第2四半期の広告収入は前年同期比12%増の315億ドル(約4兆4000億円)で、市場予想の304億ドル(約4兆2000億円)を上回った。

一方、メタバース部門の損失は40億ドル(約5600億円)から37億ドル(約5200億円)に縮小したが、それでも予想の34億ドル(約4700億円)を大きく上回っている。同部門の損失は設立から1年半で約250億ドル(約3兆5000億円)に達した。

メタの株価は時間外取引で6%以上急騰し、昨年秋以降の200%以上の上昇をさらに引き伸ばした。

メタの第2四半期の純利益78億ドル(約1兆1000億円)は過去1年以上で最高を記録したが、それでも2021年第2四半期と比べて約25%減少している。ベイエリアを拠点とする同社の株価は、投資家が利益の減少とメタバースの損失を懸念する中で、2022年9月までの1年間で75%以上暴落した。

しかし、メタはその後劇的な復活を遂げ、株価は過去8カ月間で200%以上も上昇した。ただし、現在の株価は2021年9月の史上最高値の約376ドルを約20%下回る約298ドルとなっている。

フォーブスは、メタの共同創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグの保有資産が今年、600億ドル以上(約8.5兆円)増加したと試算している。ザッカーバーグは3月のブログの投稿で、2023年を「効率化の年」と命名した。これは、約2万人のレイオフに続く25%の人員削減を含む、大規模なコスト削減策によるものだ。

メタの株価は、過去2回の決算発表直後の取引セッションで2桁の上昇を記録し、上場後の11年で最大の上昇の10回のうち2回を記録していた。

メタは今月初め、ツイッターの競合アプリのThreads(スレッズ)を立ち上げた。同社はまだこのプラットフォームを収益化していないが、複数のアナリストは、スレッズが同社の成長ストーリーの一部となり、株価をさらに上昇させると考えている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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