音楽

2023.07.29 17:00

リーダーに知ってほしい 「ノブレスオブリージュ」という言葉

振り返ってみると、今日の僕があるのも先輩方のお陰である。今から30年ほど前、僕は日本テレビの「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」で放送作家をはじめた。その頃、お金もなかったし、貧乏丸出しだった。局の近くを歩いていると、いつも「野呂君、食えているか?」と言いながら、1万円をくれるプロデューサーがいた。それで仲間とご飯を食べに行っていた。実は、そんな先輩が3人ほどいたのである。

先輩が後輩を気にかけるという行動は、高い社会的地位にある人の義務感や社会的責任から、つまりノブレスオブリージュのひとつだったのかもしれない。

10年ほどたち、ちょっと余裕が出てきた頃、お礼をつけてお金を返しに行った。でも「馬鹿野郎!返してもらおうなんて思ってない!後輩にどんどん奢れ!」と怒られた。それが今の自分をつくっていると言っても過言ではない。まだまだ若者にしてあげられることは沢山ある。また機会があれば、おんなつのノブレスオブリージュ席のような企画に参加し役立てたらと思う。

今年のおんなつに参加して驚いたのは、ノブレスオブリージュ席のなかで新しいコミュニケーションやビジネスが生まれ始めていることだ。2日間顔を出し(コンサートへの参加は19日のみ)、配った名刺の数は100枚を優に超える。会場だけでなく、コンサートが終わったあとに急遽宴の席が設けられるという流れもあった。

それだけ多くのエグゼクティブの方々が注目する理由のひとつに、ノブレスオブリージュの考えがあるのかもしれない。

文=野呂エイシロウ

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