2023.08.06

時代を読む、ストーリーのあるホテル No.30「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」

「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」の外観。日本一の繁華街、新宿歌舞伎町にそびえる超高層複合施設「東急歌舞伎町タワー」。「BELLUSTAR TOKYO」は18・39〜47階に位置。

盛夏到来、時は過ぎ去り、あっという間に1年の半分を超えている。

そして今、世界はグローバルに往来が戻り、旅を楽しむトラベラーたちは

平和な時空を駆け巡り夏のヴァカンスを謳歌している。

一方、多忙のために、長旅などできないという日本のエグゼクティブたちも、

せめて週末、お気に入りのホテルにチェックインし、週の始まる月曜の朝まで、

自分流のホテルライフをたっぷりと楽しんではいかがだろう。

日本の2023年は、すでに数えきれない魅惑のホテルが新規開業し、さらに、

数々の老舗ホテルも新たな戦略を披露し面白さが増している。

ホテルジャーナリスト せきねきょうこ


ラグジュアリーホテルの誕生に新風が吹くエンターテイメントシティ

世界有数の繁華街、眠らない街として知られる東京新宿の歌舞伎町。都内でも、古くから知られた日本一の歓楽街は、今、新しい風に包まれ大きく変わろうとしている。

すでにこの街は、2010年頃から一気に観光地としても注目され始め、特にインバウンドの外国人観光客が押し寄せている。歓楽街として酸いも甘いも受け入れてきたこの街に数年前から大きな再開発の波が押し寄せた。脈々と継がれてきた歌舞伎町の歴史や伝統文化に光を当て、成長を遂げたエンターテイメントの世界をより集約させ、洗練され充実した‘エンターテイメントシティ’としての開発が一段落した。新たな歌舞伎町のランドマークとなり、未来を見つめて羽ばたこうと、超高層複合施設「東急歌舞伎町タワー」が開業を迎えたのだ。

タワーは地上48階建て、地下5階の迫力ある建物であり、現在進行形でリニューアルが実施されているマンモス駅JR新宿駅とも至近距離だ。タワー内には、ラグジュアリーホテルとライフスタイルホテルの2軒が営業を開始、ホテル内にはレストラン、スパ、バーなどが揃う。

そして同じタワー内には、ホテルの他にライブホール、劇場、映画館など近代的な設備を整えたエンタメ施設が軒を並べ、タワー内はスタイリッシュなインテリアに彩られ、若者から年配者まで楽しめるよう歌舞伎町らしいエキサイティングな空気感を漂わせている。

広いスペースのレセプション(ロビー)は18階。地上の喧騒を感じさせないほっと息のつける安心感と大都会のパノラマを俯瞰できるガラス張りの空間。

広いスペースのレセプションは18階。地上の喧騒を感じさせないほっと息のつける安心感と大都会のパノラマを俯瞰できるガラス張りの空間。


ここでは、ラグジュアリーホテルとして2023年5月19日に開業した「BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel」をご紹介しよう。

今まで歌舞伎町地区にはなかったタイプであり、すでに新宿歌舞伎町のランドマークともなっている。ホテル関係者は、「唯一無二の価値を追求しながら、同時に、古くから栄えた歌舞伎町の歴史に華を添え、新たに文化やエンターテイメントの発信地として」と胸を張る。

中に入ると、自分のいる街がどこかを忘れてしまいそうなほど、静謐な環境と高級感を漂わせている。またもう一方のホテルは躍動感に溢れ、よりカジュアルで大きく世界に門戸を開く「HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL HOTEL」である。階を違えて同じタワー内に、個性やグレードの違うホテルがあることも、より幅の広い多くのゲストを楽しませることとなっている。

さて、前述のように「BELLUSTAR TOKYO」内は、街の喧騒を想い出すのも難しいほど閑静であり、外の雑踏から逃れてエレベーターを上ってくるとホッと肩の力が抜けた。超高層タワーでありながら、特徴的なのは随所に設えてある天井から床までの大きなガラス窓である。眼下には新宿駅や、歌舞伎町の繁華街、そして遠く富士山までが視野に入る。鉄道オタクでなくとも、高所から新宿駅やひっきりなしに往来する電車、列車を俯瞰するのは興奮する。
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文=せきねきょうこ

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