世界56位と57位のパワフルウーマンから、妹たちへ。東京都知事と日銀理事が初対談

日本銀行理事の清水季子(左)、東京都知事の小池百合子

米フォーブスは毎年「世界で最も影響力のある女性100人」を選出する「The World’s 100 Most Powerful Women」を発表している。

欧州委員会委員長、欧州中央銀行総裁、ゼネラルモーターズCEOやアクセンチュアCEOらの名が並ぶ最新のリストに、日本からただ2人の女性がランク入りを果たした。日本銀行理事の清水季子(56位)と、東京都知事の小池百合子(57位)だ。

清水は入行以来、女性総合職のトップを走り、欧州統括役のロンドン事務所長などを経て、日本銀行創設以来初となる女性理事に就任。

一方の小池は、テレビ業界から政界入りし、環境大臣や防衛大臣など要職を歴任し、現在は女性初の東京都知事として都政にまい進している。

“女性初”を積み重ねてきたふたりが、フォーブス ジャパンが主催する女性リーダーの集いに揃って登場し、初のトークセッションが実現。女性をめぐる日本と世界の現状、そして新時代の女性リーダー像について語り合った。


国際会議で「あの日本から女性の代表が!」と驚かれてしまう

小池:「Most Powerful Women」に選んでいただき、光栄です。これまでリスクを恐れずにさまざまなことに挑戦してきた自負はあるのですが、私自身は“Most Powerful”だと感じているわけではないんですよ(笑)。

清水:私が受賞を知ったのは、G20会合に出席するためインドネシアを訪れていたときのことでした。バリの空港に降り立ったところ、同行していた財務省の方が「こんな記事が出ていますよ」と教えてくれたんです。「えっ、そうなの⁉️ 知らなかった!」って(笑)。

小池:清水さんはグローバルの舞台でキャリアを積まれてきて、国際会議に出席されることも多いのでしょうね。

清水:そうですね。日本の金融業界は男性中心で、とりわけ日本銀行は優秀な男性がこぞって応募してくるような組織。私はそういう環境下にいながら国際会議に出向く機会が多いので、今回の選出につながったのかもしれません。

一方、海外を見渡してみれば、ファイナンスの世界でも、アメリカのジャネット・イエレン財務長官をはじめ、重責を担うポジションで活躍している女性はたくさんいます。

いまや、G7クラスの国際会議でも、半数くらいの国の代表者が女性なんですよ。そういう場に私が赴くと、「あの日本から女性の代表が来るなんて!」と、驚きをもって受け止められます。
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文=音部美穂 写真=小田駿一

この記事は 「Forbes JAPAN 2023年8月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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