北米

2023.07.26

米共和党、ザッカーバーグを議会侮辱罪で告発の構え

Photo by Chip Somodevilla/Getty Images

米下院司法委員会の共和党議員らは、フェイスブックとインスタグラムの親会社のメタが、意図的に保守派の投稿を検閲しているとの苦情に関する調査を進め、CEOのマーク・ザッカーバーグを召喚し、議会侮辱罪に問おうとしている。

同委員会は7月27日の会合で、共和党議員が数カ月前から主張している、保守派の言論に対する検閲の問題でメタのCEOを侮辱罪で召喚するかどうかを決定する。

ザッカーバーグとメタは、2月の議会の召喚状を「故意に拒否」したと同委員会は述べている。この召喚状は、下院司法委員長のジム・ジョーダン(共和党)が、コンテンツモデレーションに関連して、アルファベットCEOのスンダー・ピチャイやアマゾンCEOのアンディ・ジェシー、アップルCEOのティム・クック、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラらに送ったものだった。

メタの広報担当のアンディ・ストーンは25日、CNNに対し、同社のプラットフォームが「委員会の広範な情報要求に誠実に対応してきた」と述べ、5万3000ページ以上の社内および社外の文書を委員会に提出したと主張した。

委員会がザッカーバーグを議会侮辱罪に問う場合、ザッカーバーグに対して検閲に関する文書の提出を要求できるとCNNは報じている。この罪で有罪になった場合、12カ月以下の禁固刑と最高10万ドルの罰金が科される可能性がある。

ワシントンD.C.の陪審は昨年、トランプ前米大統領の首席戦略官だったスティーブ・バノンが、米議会襲撃事件を調査している下院特別委員会への協力を拒否したとして、議会侮辱罪で禁錮4カ月の判決を言い渡していた。

メタは近年、モデレーションポリシーを優先し、特定の政治的言論を制限するためにアルゴリズムを大幅に変更し、一部のアカウントを削除した。同社は2021年1月6日の米議会議事堂の暴動を受けて、トランプ前大統領のフェイスブックとインスタグラムのアカウントを凍結したが、今年初めに復活させた。

右派のツイッター・ユーザーは今月初め、メタがツイッターの競合アプリThreads(スレッズ)を立ち上げたことを非難し、このアプリがドナルド・トランプ・ジュニアを含む共和党の言論を抑圧していると主張した。トランプ・ジュニアのフォロワーは、彼のアカウントが「虚偽の情報を繰り返し投稿している」と警告するメッセージを受け取り、そのスクリーンショットを公開したが、メタは後にこの警告がエラーだったと主張している。

フォーブスは、世界8位の富豪であるザッカーバーグの保有資産を1044億ドル(約14兆7000億円)と推定している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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