イタリア人は幼いころから、鏡に映った自分の姿をよく見るように親からしつけられるという。鏡像は自己認識を高めるのに役立つが、毎日見続けるとやがては自分の体形やどんな服が似合うかもわかってくる。世界一と言っても過言ではないイタリア人のファッションセンスやミリ単位の服へのこだわりは、こうした習慣によって育まれるのだろう。そしてイタリアを代表するジョルジオ アルマーニの最高峰オーダーシステム「メイド トゥ メジャー」にジーンズやニットウェアがラインナップされているのも、そんな装いに対する強いこだわりの表れともいえるのだ。
個性を引き立てる無二のカジュアルウェア
男性の注文服といえばスーツやジャケット、コートといった、いわゆるテーラードウェア(仕立て服)が一般的であり、カジュアルウェアまでラインナップするブランドは極めて少ない。その理由のひとつに挙げられるのが、ハリのある芯地類を駆使し、一人ひとりの体形に合わせて立体的に仕立てる注文服が原点であるテーラードウェアに対し、カジュアルウェアのベースはいまもむかしも万人の体形に合うように設計・量産された既製服であるためだ。では、なぜジョルジオ アルマーニは、そんなカジュアルウェアの代表格であるニットや、大量生産の象徴ともいえるジーンズまでオーダー品を開発したのか。それは“服によって着用者一人ひとりの個性を引き立てる”という、巨匠ジョルジオ・アルマーニが創業時より抱く美学にのっとり、注文主の好みと体形、そしてこだわりに完璧にフィットする、まさしく唯一無二のカジュアルウェアを提供するためなのだ。
そんなジョルジオ アルマーニのメイド トゥ メジャーであつらえるニットやジーンズは、体形の悩みをカバーし、細部まで好みを反映させたほかでは手に入らないデザインといった、オーダーウェアならではのメリットが享受できるが、利点はそれだけではない。なかでも特筆すべきなのが、ラインナップの幅広さを生かし、完成度の高いワードローブを構築できることだ。例えばメイド トゥ メジャーであつらえたジャケットがあれば、その色柄や素材感と相性がよく、羽織ってもかさばらずすっきりと収まる、つまりベストマッチするニットウェアを注文することができる。
またスーツがあるなら、その上衣のシルエットと連携するジーンズをオーダーし、出張の際に持参して移動時やオフにジャケット&ジーンズとして活用する、といったことも可能だ。このように過去のオーダーアイテムとのマッチングを考慮しながらオーダーを重ねることにより、日々のコーディネイトから解放されるばかりか、細部まで計算されているがゆえの完成されたワードローブで、ライフスタイルを洒脱に満たすことができるのだ。