「いつも期限に遅れる人」のスケジュールの立て方
──「メモするときのポイント」2つ目は何でしょうか?安達:もう一つは、「仕事を任されたらすべき8箇条」の中にも入っていますが、「仕事を〇〇すること」です。
依頼された仕事は、大きな岩の固まりのようなもので、そのままでは扱うことができないし、誰かの手を借りることもできません。具体的なタスクに分割することで、ようやく自分が何をするべきかが見えてきます。
上司から仕事を依頼されたときに大事なのは、依頼された「その瞬間に」仕事を分割しておくこと。
新入社員だと、他の先輩たちからの依頼も溜まっていたりして、上司からの指示にはひとまず「わかりました」と返事しておき、他の仕事が片付いてからようやく仕事の手順を考える……なんてことをやりがちですが、そうすると、時間がかかるタスクに着手するのが遅れたりします。
お客様に回答をもらう、業者さんに見積もりをもらうなど、外部の人とやりとりが必要な仕事の場合、上司に指示されてすぐに着手しないと間に合わないものも多々あります。
そうすると、
上司「あの仕事、終わった?」
部下「いや、業者からまだ見積もりが送られてきてなくて」
上司「それ、最初に頼んでおかないとダメでしょ!」
みたいなトラブルに発展したり……。
──あるあるですね……。新人の頃ってとくに「あれやらなきゃ」「これやらなきゃ」と雑務に追われて、簡単なものから手をつけがちですよね。
安達:難しい仕事、特に「どうしたら良いかよくわからない」仕事は、思っているよりもはるかに時間がかかります。見積もりの2倍から3倍はかかると思っておいたほうがいいでしょう。
だからこそ、上司に依頼されたらすぐに、手順を整理しておくことが、仕事をスムーズにこなすコツだと思います。
おさらいすると、
仕事を任されたらすべき8箇条
1.納期を確認せよ2.成果を合意せよ
3.仕事を分割せよ
4.難しい仕事から取り掛かれ
5.行き詰まったら、「即、相談」せよ
6.説明責任を果たせ
7.自分でゼロから考えるな。前例を探せ
8.人への依頼は早めにし、1から7を守らせよ
これを仕事の基本として、常に意識しておけるといいと思います。
安達裕哉(あだち・ゆうや)◎ティネクト代表取締役。筑波大学大学院環境科学研究科修了後、理系研究職の道を諦め、デロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事し、その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立。現在はマーケティング企業 ティネクトの経営者として、コンサルティング、Webメディアの運営支援、記事執筆などを行う。また、個人ブログとして始めた「Books&Apps」が“本質的でためになる”と話題になり、今では累計1億2000万PVを誇る知る人ぞ知るビジネスメディアに。