経済・社会

2023.08.04 08:15

上場企業の賃上げ顕著、平均638万円で過去20年の最高額

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2022年度以降、物価高や人手不足に伴う賃上げ機運が急速に高まったことなどを受け、上場企業では「賃上げ」の動きが顕著になっている。帝国データバンクが国内の全上場企業 約3800社を対象にした「平均年間給与額」に関する調査・分析結果を発表した(※)。

※調査時点:2023年6月末提出時点

調査によると、2022年度決算期(22年4月〜23年3月期)における全上場企業の平均年間給与(平均給与額)は638万円。21年度(624万円)から14万円(2.2%)のプラスとなり、2年連続で増加した。平均給与額、増加額ともに過去20年で最高を記録。国内の平均給与額(443万円)を、約200万円上回った。
 
2021年度〜22年度の増減を比べると、2022年度に前年度から平均給与額が「増加」した上場企業は約7割(68.9%)。21年度(66.7%)から伸長した。中でも「30万円以上」増加の割合は、4社に1社(25.3%)に上った。
 
平均給与額別では、最も多かったのが「500万円台」で1059社(27.7%)。「1000万円以上」も、総合商社やM&A仲介、メディア、不動産など過去20年で最多の134社(3.5%)に上った。2022年度の平均給与額が最も高い企業は、M&A仲介事業を手掛ける「M&Aキャピタルパートナーズ」で3161万円だった。

業種別では、前年度から平均給与額が増加した割合が最も高かったのは、「運輸・倉庫」で78.4%。次いで「卸売」(74.9%)、「サービス」(70.4%)、「製造」(69.8%)、「不動産」(68.5%)の順に。帝国データバンクは、「需要が回復している空運・海運業や、人手不足に伴うトラック運転手の賃金上昇が続く陸運業などで、平均給与額の増加が相次いだ」と説明した。

さらに、同社は業績好調な企業・業界を中心に、給与テーブルの大幅な引き上げや、パート・アルバイトも含めた時給の引き上げに動く企業が出ている現状に触れ、「待遇改善で人材を確保する傾向が強まっている」と解説。上場企業の給与水準は、2023年度もさらに上昇する予想を示した。


プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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