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2023.07.31 11:30

創業54年の老舗VC、メイフィールドが設立の「AIファンド」

AI分野ではメイフィールド以外にも、ベッセマー・ベンチャーパートナーズとサファイア・ベンチャーズが既存ファンドから10億ドルをAI投資に充てる計画を発表している。その一方で、暗号通貨に特化したファンドが投資額を大幅に減らしている状況を受けて、セクター特化型のアプローチに怖気づく投資家もいる(ピッチブックによると、前四半期のVCによる暗号通貨セクターへの投資額は、2022年第1四半期のピークと比較してわずか19%だったという)。

AIはメタバースのような誇大広告とは違う

しかし、メイフィールドは心配していない。 「メタバースは誇大広告だったが、AIはファンダメンタルズがしっかりしている。AIは企業にとって有意義なビジネスの変化を生み出している」とレディは話す。

VC投資が全体的に減速する中、新ファンドはメイフィールドにとって主要ファンドの規模を縮小するクリエイティブな方法でもある。ピーター・ティールのファウンダーズファンドは、18億ドルのファンドの約半分を将来の投資ビークルに割り振ったと報じられている。

メイフィールドは、5月に17号目の旗艦ファンド向けに5億8000万ドル、3号目のフォローオン・ファンド向けに3億7500万ドルを調達したと発表した。同社は、AI Start用としてこれらのファンドから資金を引き出す予定だ。これにより、同社はレイターステージ投資を削減すると同時に、シード期のスタートアップにより多くの資金を投入することになる。歴史を振り返ると、不況期にシード期のスタートアップに投資した投資家は、大きなリターンを得ている。

チャッダは、新たなファンドが長期的な視点からの戦略だと述べている。AIに特化したファンドが成功すれば、ディープテックなどの他の分野でもシードステージファンドを立ち上げる可能性があるという。これまで、様々なセクターでオーソドックスな投資アプローチをとることで名声を得てきたベテランのチャッダは、今後4~5年の大半をAI Startに費やすと考えている。

「AIの波は永遠に続くだろう。AIは、我々が使うあらゆる製品に用いられることになる。私は、会社での仕事に費やす時間の90%をAI Startに費やさなければならないとチームに伝えている」とチャッダは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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