「陸上でトラウトサーモン養殖」FRDジャパンが210億円調達【7月第3週資金調達まとめ】

国内の成長産業及びスタートアップに関する幅広い情報を集約・整理し、検索可能にした情報プラットフォーム「STARTUP DB」では毎週、資金調達のサマリーを発表している。この記事では、7月3週目の“注目のトピック”として選ばれた5件の資金調達について紹介する。

FRDジャパン

調達額:210億円
調達先:エア・ウォーター / STIフードホールディングス / 積水化学工業 / 長谷工コーポレーション / 三井住友信託銀行 / 三井物産 / 三菱UFJ銀行 /京葉銀行 /三井住友信託銀行 / りそな銀行
備考:京葉銀行 /三井住友信託銀行 / りそな銀行はブルーサステナビリティファイナンスを活用した融資

陸上養殖システムはバクテリアを利用した高度濾過技術により、天然海水や地下水を使用せず、人工海水を閉鎖循環させながら水質を維持することを可能にするスタートアップ。

同社は、水替え不要の完全閉鎖循環システムを開発し、陸上養殖システムやトラウトサーモン養殖事業を展開している。

サーモン類は海水温が高いアジアでは夏季の海面養殖が難しく、養殖サーモンの大半がノルウェーやチリ等の寒冷地から輸入されている。

陸上養殖では水温コントロールにより、アジア地域でもサーモン養殖が通年行えるようになり、消費地近郊にプラントを立地させることで、高鮮度な商品を低い輸送コストで流通させることが可能。

持続可能な水産物生産手段の確立と、今後も美味しい魚が手軽に食べられる世界の実現を目指し、陸上養殖の産業化に取り組んでいる。

2023年7月にはエア・ウォーター、STIフードホールディングス、積水化学工業、長谷工コーポレーション、三井住友信託銀行、三井物産、三菱UFJ銀行を引受先とした総額210億円の第三者割当増資を実施するとともに、京葉銀行、三井住友信託銀行、りそな銀行とブルーサステナビリティファイナンスの枠組みを活用した融資契約を締結した。

調達した資金は商業プラントの建設資金に加え、運転資金や研究・開発・投資資金等として充当する予定だ。
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文=STARTUP DB

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