欧州

2023.07.27 09:00

ウクライナ、国産の防空システム準備か 「試験で上々の成果」と地元議員

ウクライナには自国製の地対空ミサイル(SAM)システム製品があるが、量産の実現は難しそうだ。イラストは米陸軍の主力SAMシステム「MIM-104パトリオット」(Getty Images)

ルーチのパンフレットでは、SD-300の射程は「100km以上」と紹介されている。SD-300とほぼ同じということだろう。
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ともあれ、問題は射程ではない。

1年5カ月前の開戦時点で、ウクライナは数百の発射機を含むS300約50基を保有していた。その後、ウクライナの支援国は「IRIS-T(アイリスT)」「クロタル」「NASAMS」「パトリオット」など、西側製SAMシステムを計約20基供与することを約束している。台湾から米国経由でウクライナに送られるとされるホーク発射機は、12基ほどのシステムになると見込まれる。

つまり、ミサイルが底をついてS-300をすべて入れ替えなくてはならなくなった場合、ウクライナはSAMシステムがあと18〜20基必要ということになる。相当な数だ。おそらく、外国からの大きな支援がないかぎり、ウクライナの小規模なミサイル専業企業には製造できない量だろう。
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西側製SAMを追加調達できさえすれば、ウクライナの防空上のニーズは満たせそうではある。そうしたなかでSD-300を生産する価値があるかどうかは、簡単には答えの出ない問題だ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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