研究論文の筆頭著者であるマオファ・リンは、「現在のデザインを、楽曲演奏以外のリハビリ課題、例えば物体操作に応用するには、個人のニーズに合わせたカスタマイズが必要になる」と述べている。リハビリで取り組む課題は人によって違うため、グローブは個別調整が必要だ。
またリンによると、現在グローブが基盤としているテクノロジーは、実用化に必要なすべてのタスクを学習させるには不十分だという。触覚センサーの精度や、機械学習アルゴリズムの厳密さについては、まだ改善の余地がある。
こういった理由で、ピアノ演奏補助グローブを利用できる日は、まだ先になりそうだ。それでも今回の研究は、脳卒中後の運動機能回復に柔軟性のあるロボットを応用できる可能性を示した点で有意義といえるだろう。
(forbes.com 原文)