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2023.07.27

「AIは手段であり目的ではない」人工知能に対する米企業幹部の生の声

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先日私は、テキサス州オースティンで開催されたロイター・トンプソンの『モメンタム』会議のセッションに出席し司会を務めた。私が進行したセッションのテーマは「過熱と恐怖:消費者の認識とAI体験の管理」だった。会議では、AIによって推進される投資や雇用の傾向、現在のAIが得意とすること、人々が日常の仕事でどのようにAIを使用しているか、そしてもちろん、AIに対する懸念すべき点など、多岐にわたるトピックが取り上げられた。

私が進行したパネルディスカッションには、商業不動産企業CBREのデジタル&テクノロジーオフィサーであるサンディープ・ダヴェ、AI企業ICONIQ AIのCEOローレン・クンツェ、ペイパルのエグゼクティブVPでCTOのシリ・シヴァナンダ、そしてアメリカ医師会(AMA)の会長ジェシー・エアンフェルド博士が参加した。私はIEEEを代表してセッションを進行した。

私はまず最初に、IEEEの数多くのメンバーがAIとその応用に取り組んでおり、IEEEが多くのカンファレンスや出版物を開催し、AIの技術的・実践的な運用に焦点を当てていることを指摘した。さらに、IEEEスタンダードアソシエーション(SA)はAIの倫理に関する複数の活動を組織してきた。2016年にIEEE SAは、自律的で知能的なシステムの倫理に沿ったデザインに関する報告書の初版を公開した。この報告書の最新のアップデートは2019年にリリースされた。

IEEEは世界中の政策立案者と協力してAIの適切な使用についての指針を作成してきた。AIの倫理的な使用を扱う複数のIEEE基準が作成されたり、作成過程だったりしている。それには、データプライバシー、アルゴリズムのバイアス、児童と学生のデータガバナンス、自律システムの透明性などの基準が含まれている。IEEE SAはまた、進化するAI基準に準拠したAI実践の認証について、第三者との連携を模索している。

以下は、パネルの他のメンバーからのコメントだ。サンディープ・ダヴェは、AI/ML(人工知能/機械学習)は新しいものではなく、不動産ライフサイクルのいくつかの領域ではMLをすでに展開し、効率性の向上、市場の動向や資産の故障などの予測を実現していると述べた。私たちは、不動産のライフサイクル全体でAIからの大きな利益を受けている。これには、物事を異なる方法で行うこと(つまり、大幅な生産性向上による利益)から、異なることを行うこと(たとえば、望ましい目標に向けた反復生成設計、建設する前に「体験」するための生成AIと視覚化機能の組み合わせ)までが含まれている。
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翻訳=酒匂寛

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