地元テレビ局CBS17によると、ファイザーの工場以外にも、保育園をはじめ多くの建物や家屋が竜巻被害を受けた。幸いなことに重傷者はいなかったもようだ。
しかしソーシャルメディア上では、「ノースカロライナ州で実際には何が起きたのか」をめぐる自説の開陳が相次ぎ、陰謀論が勢いよく渦を巻き続けている。自然現象ではなく、何らかの気象操作によって人為的に計画された出来事だという主張もその一つだ。
たとえば、7月19日にインスタグラムに投稿された竜巻被害の動画には、次のようなキャプションが付いていた。「仮定の話だが…もし『彼ら』がDARPA(米国防総省国防高等研究計画局)やHAARP(高周波活性オーロラ調査プログラム)のように周波数を操作して天候をコントロールする能力を持っているとして、そして*仮に*善人が存在するとしたら、その善人たちにも彼らと同じ能力があると思うか? 悪者に雲を発生させることができるのなら、善人が竜巻を起こすことも可能なのではないか」
「仮に」の前後に星印がついている理由や、「彼ら」が誰を指しているのかは不明だ。なぜ「彼ら」が竜巻を計画しているのかという疑問について、この投稿主は「これは、大手製薬会社の保険金請求にすぎないのか?」とほのめかしている。
整理すると、「彼ら」が誰であれ、わざわざ竜巻を発生させて保育園を含むあらゆる破壊を引き起こしたのは、幾ばくかの保険金を請求するのが目的だという話になる。今回の竜巻は改良藤田スケールでEF3に該当するが、最大風速67メートルに達する規模の竜巻を人工的に発生させることなどできるのだろうか。所詮、「彼ら」はマーベル作品に登場する「ストーム」のような気象現象を操るスーパーヒーローではない。トイレを流して小さな水の渦を作るぐらいが関の山だろう。ノースカロライナを襲った大きな竜巻とは比ぶべくもない。