読書をしたり多くの人に会うことも重要ですね。かつて自分は北海道に住んでいたのですが、東京で開催される経営者の講演会に行き、質問やネットワーキングもしました。
自分とバックグラウンドが違う人の本を読んだり、話を聞くことは刺激になりますし、可能性が広がると思います。
──延長保証というサービスに着目したのはなぜですか?
自分で会社を立ち上げるなら「三方よし」のビジネスをやりたいと思っていました。「四季報オタク」と言えるほど企業情報を調べるのが好きなんです。
起業を意識してさまざまな事業調べていた時に、アメリカに延長保証ビジネスがあると知り、直感で「これだ」と思いました。自分もモノを大切に使いますし、モノを長く使えることは環境にとっても良いことで社会貢献になる。そんなアイデアにすごく興奮しました。
採用基準は「良いオタク」であるか
──日頃から大切にしていることを教えてください。とにかくもがくこと。どのような成功の裏にもさまざまな失敗や挑戦、我慢と辛抱があることに会社を立ち上げてから気づきました。魔法やショートカットコースはありません。
特別なことをするのではなく、常にお客様や取引先にどうしたら気に入ってもらえるかをひたすら考えています。相手先の人、会社を深く知ろうとし、徹底的に調べることも心がけています。
──採用する際、どのような観点で人材を見極めていますか?
良い人柄であるかは重要です。エンジニアであれば探究心がある、強いこだわりがある人など「良いオタク」であるかどうかも見ています。
スタートアップは劇的な成功をしなければ会社が存続できなくなります。自分の仕事量を減らすために採用するのではなく、「この人を採用したらリードが100倍取れるのではないか」と思えるほど、発想が優れている人を探しています。少数精鋭で筋肉質な会社を作っていきたいです。
──日本では起業したりスタートアップに就職したりする若者は少数派です。今後、そのようなキャリアを志望する若者が増えるためには、何が必要と考えますか?
起業へのハードルを下げるために、早い段階からの起業家教育を増やすことは重要だと思います。事業が失敗した場合のケーススタディが増えたり、失敗を恐れず挑戦したことを讃える文化が醸成されて欲しいですね。またロールモデルとなる日本人の起業家が今後増えることを期待しています。自分は東大や外銀出身ではありませんが起業してビジネスも成長できていますし、「野尻にできるなら自分にもできるだろう」と思ってもらえるようなロールモデルになりたいです。