女性にお金を払って自分の子どもを産んでもらう代理出産をめぐっては、裕福な人らによる女性の搾取につながるという倫理的な懸念もある。だが最近はモデルのクリッシー・テイゲンや女優のエリザベス・バンクス、ジャーナリストのアンダーソン・クーパーといった著名人が続々と利用を公表し、ほとんどがその経験を肯定的に語っている。
インドの調査会社IMARCは代理出産が広がっている理由として、医療技術の進歩や非伝統的な家族形態に対する社会の見方の変化を挙げている。グローバル・マーケット・インサイツのリポートによると、2018年に60億ドル(約8400億円)だった市場規模は2022年に140億ドル(約2兆円)あまりに拡大し、2023年は約179億ドル(約2兆5000億円)に達すると見込まれている。
費用はいくらかかる?
代理出産には、体外受精した受精卵を代理母の子宮に移植して妊娠・出産する「妊娠代理出産(ホストマザー)」と、代理母の子宮に人工授精で精子を注入して妊娠・出産する「伝統的代理出産(サロゲートマザー)」の2種類がある。ニューヨーク州保健局によると、米国でホストマザーを利用する場合、弁護士費用や医療費、仲介業者への手数料、代理母への報酬などを合わせて6万〜15万ドル(約840万〜2100万円)かかるという。CNBCによると、費用はジョージアでは4万〜5万ドル(約560万〜700万円)、メキシコでは6万〜7万ドル(約840万〜980万円)程度とされる。
今年もヒルトンホテルの創業家一族でタレントのパリス・ヒルトンとカーター・リウムをはじめ、何人もの著名人が代理出産で子どもをもうけている。過去にはサッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドや女優のキャメロン・ディアスらも代理出産を利用している。