各国の状況は?
米国では1976年に初めて合法的な代理出産契約が結ばれたとされ、1980年に合法的に報酬が支払われた初の代理出産が行われた。ワシントン・ポストによると、1983年時点で代理出産は儲かるビジネスになっており、国内に10の仲介業者が存在していた。費用は2万〜4万5000ドルほどだったという。グローバル・マーケット・インサイツによると、不妊治療の進歩、子どもをもつ年齢の高齢化、非伝統的な家族の増加などを背景に代理出産産業は成長を続けている。
米国の代理出産産業は厳しく規制され、ネブラスカ州やルイジアナ州、ミシガン州など、代理出産を違法としている州もいくつかある。ニューヨーク州では2021年2月に発効した法律で合法化されたばかりだ。カナダと英国では代理母がボランティアの場合のみ代理出産が認められており、報酬をともなう代理出産は違法になる。
ウクライナは昨年2月にロシアの侵攻を受ける前まで、米国に次いで世界で2番目に大きい代理出産市場だった。ニューヨーク・タイムズは、ロシアの脅威が現実のものになるなか、妊婦たちが転居を余儀なくされたり、外国の夫婦が代理母と会って赤ちゃんの安全を確保するため、危険を冒して紛争地に入ったりしていると昨年5月の記事で伝えている。
CNBCによると、以降は主にジョージアとキプロスが需要を吸収しているという。一部の需要はメキシコをはじめとする中南米にも流れているとみられ、メキシコのリゾート地カンクンの業者は、ウクライナでの戦争の影響で昨年の代理出産契約数は前年比20〜30%増えたと話している。
代理母になりたい人と代理母を探している人の出会いを支援するオンラインサービスも登場している。昨年、不妊治療を専門とする医師のブライアン・レビンと元代理母のブリアンナ・バックが立ち上げたマッチングアプリ「Nodal」は、マッチングプロセスに代理母側がもっと主体的に関われるようにするもので、代理母を探している家族に代理母が直接連絡をとることができる。
(forbes.com 原文)