「最近の出来事から、ティックトックが民主主義に与える影響と、EUの独立した執行がいかに重要であるかがわかった。今こそ、完全なコンプライアンスへの対応を加速させる時だ」と彼は述べた。
ブルトン委員はさらに、中国企業が運営するティックトックが、ストレステストを実施することに同意したが、その結果、さらなる対策が必要であることが判明したと付け加えた。
DSAが8月25日に発効すると、企業はヘイトスピーチやディスインフォメーション(誤情報)などの有害で違法なデータへの対処を義務付けられる。
ティックトックは、EUが超大規模プラットフォーム(VLOP)に指定した19社のうちの1社であり、より厳格な規制の対象となる。これらの企業は、リスクを監視・管理し、外部の独立した監査を実施し、関連当局とデータを共有し、行動規範を設定することが求められる。違反した場合の罰金は、年間収益の最大6%に及ぶ可能性がある。
ティックトックが実施したストレステストは、児童保護プログラムやレコメンドやモデレーションの仕組み、データへのアクセスや透明性などを対象としたものとみられている。ブルトン委員は、ティックトックがレコメンドシステムの変更や透明性の向上などの点で、「組織的な改善」を行ったことを認めた。
ティックトックのブリュッセルのポリシー担当者は、「当社はDSAの規定を遵守し、透明性と説明責任を強化することに全力を尽くしている。我々は、EUの委員会との連携に期待している」と述べている。
ブルトン委員はTwitter(ツイッター)とも同様の会合を持ち、ストレステストについて議論しており、同社がこの取り組みを非常に真剣に受け止めているが、「作業は継続する必要がある」と述べている。
一方、Amazon(アマゾン)は現在、VLOPとしての指定に異議を唱えており、同社がコミュニケーションのためのプラットフォームではなく、小売業者だと主張している。EUは、この件を法廷で争う構えだ。
ブルトン委員は3月に、ユーザー数を過小に申告することでVLOPとしての責任を回避しようとする企業を取り締まると宣言していた。
「残念なことに、その義務を尊重せず、ユーザー数をまったく提供しなかったり、過小に申告しているプラットフォームがいくつかある。我々は、DSAの施行に関して遅延戦術を容認するつもりは一切無いことをはっきりさせておく」と、ブルトン委員は述べている。
(forbes.com 原文)