惑星のできそこない
プシケは珍しい金属小惑星で、鉄、ニッケル、および金から成っているとみられているが、これは望遠鏡による輝度の観測のみに基づいた推測だ。プシケの幅は約279kmで、質量は太陽系の小惑星帯にある天体で最大級だ。できそこなった惑星のコアであると考えられていることから、惑星天文学者の大きな関心を引いている。
地球には金属コア、マントル、および地殻がある。金属小惑星は地球で見つかっている鉄隕石の起源の可能性があると考えられている。
米セントラルフロリダ大学フロリダ宇宙研究所の惑星科学者で、スペイン・カナリア諸島にある新しい2メートル二連望遠鏡(TTT)を使用して金属に富むM型小惑星を研究しているノエミ・ピニジャアロンソは「長年にわたり、M型小惑星は太陽系初期に微惑星のコアが衝突によって、珪酸塩と有機物からなるマントルを剥がされたものと考えられてきました」と語る。
「最大のM型小惑星であるプシケに関する詳細な分析に基づく最近の理論では、M型小惑星は太陽により近い位置で形成され、部分的に溶けた薄い地殻を剥がされた後、現在の位置まで移動したと考えられています」
(forbes.com 原文)