現代にもシエスタを実践しているスペイン人はいるが(BBCによれば約40%)、大都市のオフィスワーク文化では昼寝が推奨されていないため、習慣としては廃れつつある。一方で「シエスタを守ろう」という運動を始めた地域もあり、ホテル予約サイトのHotels.comは2017年、マドリードのアトーチャ駅にシエスタ用睡眠ポッドを設置した。ビジネススクールIESEのヌリア・チンチリャ教授は英紙ガーディアンに、シエスタを続けているスペイン人は最も暑いアンダルシア州南部に多く、通常30分ほど寝ると語っている。
しっかり休息を取れそうに思えるシエスタだが、BBCによれば実のところ、スペイン人に持続不可能な長時間労働をさせる要因となっており論争を呼んでいる。長い昼休みが消滅しても長時間労働はなくならず、午前9時か10時に勤務を開始して午後8時まで働き続け、休憩中に昼寝をしない人も珍しくなくなった。スペイン政府は過去に2時間の昼休みを廃止して勤務時間を午後6時までに短縮することを提案したが、最近の経済対策では週4日勤務の採用を推奨している。
(forbes.com 原文)