「情報操作」に引っかからないためには?
——ロシアのウクライナ侵攻でも、「情報操作」を含むサイバー攻撃があったようです。ネット上に様々な情報が氾濫するなかで、一般市民が情報収集を行う際に気をつけるべきことはありますか。まずは、どのような国やメディアが発信している情報なのかということに気を配りましょう。同じ情報でも、発信元によって捉え方が全く異なります。
例えばロシア関連の情報で「RT」という記載があれば、発信元は「ロシア・トゥデイ」というロシア国営の対外発信テレビ局です。テレビ局ですが、ネット上にもRT発信の情報が氾濫しています。これらはすべてロシアにとって都合のいい情報を発信しているのだという認識をもった上で受け取る必要があります。
池上は、今年2月に「世界史を変えたスパイたち」(日経BP)を上梓した
一方で、アメリカのシンクタンクである「戦争研究所」も、ロシアのウクライナ侵攻に関する情報をいつも発信しています。こちらは当然、ウクライナに不利になる情報は一切発信していません。
同じように、中国は「中国中央テレビ」の国際放送で、フランスは「France 24」という国際ニュース専門チャンネルで、自国に都合のいい情報を発信しています。ほかに、日本のNHKやイギリスの「BBCニュース」も国際放送を行っていますが、これらは営利を目的としない公共放送なので、自国の印象操作は行われていません。