サイバーパンク2077は、発売から2年半、54万件以上のレビューを経て、全レビューに占める高評価の割合が80%に達し「非常に好評」なゲームとなった。直近30日間のレビューのみに絞った評価はしばらく前から「非常に好評」だったが、発売時に酷評された同作のようなタイトルが全期間での評価を上げるには相当な数のレビューが必要となる。
同作のPC版は、PlayStationやXboxといったゲーム機版と比べると良い状態だったものの、それでもバグが多く、コンテンツも不完全な状態で発売されたため、ゲーマーの不評を買っていた。
それが今や『ノーマンズスカイ』と並び、ゲーム史に残るかもしれない再起を果たしたタイトルとなった。CDPRは最初の2年間、DLC発売を先延ばしにしてまでパフォーマンス最適化とバグ修正に尽力。さらには、ゲームプレイを快適にする調整や、新コンテンツの追加などを行た上、最近ではグラフィック設定にレイトレーシングの「オーバードライブ」モードを追加。これにより同作は、現在最も美しいグラフィックを楽しめるPCゲームとなっている(それに見合った性能のPCを持っていればの話だが)。まさに、奇跡的なカムバックだ。
この挽回劇を締めくくるのが、間もなく発売される大型DLC『仮初めの自由』かもしれない。開発に費やされた予算は、同社の代表作『ウィッチャー3』のDLC『血塗られた美酒』をも上回っている。今回こそは、発売から数年後ではなく、発売時にすでにすばらしい内容のゲームとなっていることを祈りたい。
サイバーパンク2077は実際、中核部分だけ見れば、発売時からすばらしいゲームだった。舞台となる「ナイトシティ」はおそらくゲーム史上最も活気にあふれた都市であり、そこで繰り広げられるメインストーリーと主要NPCのサイドストーリーはどれも非常に魅力的だ。主人公V(ヴィー)の声の演技も、個人的には1人称視点のゲームのメインキャラクターとしては最高の出来栄えだと思う。
問題はとんでもないバグの数々とパフォーマンスの不具合により、そうした良い点がかすんでしまったことにある。だが、そうした問題が修正された今ではどうか?
9月26日発売のDLC『仮初めの自由』は、新たなストーリーが追加されるだけでなく、スキルツリーから警察の挙動にいたるまで、あらゆる要素を刷新し、同作をさらなる高みに押し上げる見込みだ。サイバーパンク2077の道のりは実に波乱万丈だったが、白旗を上げずに同作を磨き続けたCDPRの功績は認められるべきだろう。
(forbes.com 原文)