国連軍は、南北朝鮮を隔てる非武装地帯と共同警備区域を管理する多国籍軍。同軍司令部によると、米国人は非武装地帯の「オリエンテーションツアー」中に無断で境界線を越え、北朝鮮に入ったという。この人物についての詳細や、境界線を越えた理由は公表されていないが、韓国の日刊紙・東亜日報は韓国軍の話として、米軍兵士のトラビス・キングだと報じている。
国連軍司令部は、問題解決に向け北朝鮮軍側と協力していると説明した。
A U.S. National on a JSA orientation tour crossed, without authorization, the Military Demarcation Line into the Democratic People’s Republic of Korea (DPRK). We believe he is currently in DPRK custody and are working with our KPA counterparts to resolve this incident. pic.twitter.com/a6amvnJTuY
— United Nations Command 유엔군사령부/유엔사 (@UN_Command) July 18, 2023
軍事境界線越えは頻繁には起きないものの、そう珍しいことでもない。ただ、越境者のほとんどは、国際社会から孤立し抑圧的な北朝鮮から、近代的で豊かな韓国へと逃れる人々だ。韓国当局は、90年代後半以降、数万人が北朝鮮から韓国に亡命してきたと主張している。一方、韓国から北朝鮮への越境のはかなりまれだ。
米国人の北朝鮮訪問は禁止されており、国務省の許可がない限り、米国のパスポートで北朝鮮へ渡航したり、同国を経由したりはできない。国務省は渡航禁止令の理由として、「北朝鮮では米国人が逮捕され、長期拘束される深刻なリスクが引き続きあるため」と説明している。同措置は、北朝鮮を訪問した際に政治宣伝ポスターを盗んだ疑いで拘束され、重労働刑を言い渡された米国人の大学生オットー・ワームビアが、収監中に重傷を負い死亡したことを受け、2017年に導入された。
(forbes.com 原文)