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2023.07.20

スマートグラスで未来型看護、NTT Comらが実証実験

プレスリリースより

高齢化に伴う医療ニーズの増加などの影響を受けて、看護師の労働力不足が深刻化している。厚生労働省は、2025年に最大で約27万人の看護師が不足するとの推計を発表。2024年4月から開始される「医師の時間外労働の上限規制」に伴う看護師の負担増加も、懸念されている。

そうした中、看護師の身体的・心理的負担を軽減させるため、「医療現場におけるスマートグラスを活用した未来型看護の実現に向けた実証実験」が開始された。実験は2023年7月14日から、病院DXを積極的に推進するHITO病院(愛媛県四国中央市)と、オンライン診療サービスを提供するスマートゲート、NTT Comの連携で実施。

実験で検証する内容は主に、次の通りだ。病室に設置したネットワークカメラの映像を看護師が装着したスマートグラス上に投影し、病室の遠隔巡回などをできるようにすることで、看護師の身体的・心理的負担を軽減できるか。さらに、ネットワークカメラやスマートグラスの映像を医療従事者同士で共有し、ハンズフリーで映像・音声の双方向コミュニケーションを図ることで、介助の手を止めずに安全・正確なコミュニケーションができるか。また、同実験ではスマートゲートのオンライン診療システム「スマートキュア」を用いているため、在宅医療において医療従事者の利便性が向上するかなども検証するという。
実験では、HITO病院が実証フィールドの提供とソリューションのユーザビリティに関するアドバイスなどを担当。スマートゲートはオンライン診療システムの提供に加え、そのスマートグラス連携における開発、NTT Comは実験の全体統括とソリューションの横展開、ビジネスモデル構築などの役割を担う。

今後は今回の実験結果をふまえ、2023年度内を目途にサービス化を検討。AI活用により患者の転倒や容体変化の予兆検知などにも対応した看護を実現するシステムの機能拡張に努めていくほか、Tele看護(※)により人材が不足する地域でも適切な医療サービスの提供を目指す。他にも、医療提供サービスの質確保や負担軽減のため、スマートグラスの機種に依存しないデバイスフリーのサービス化も見据えている。

※:Tele看護とは、ICT技術による遠隔コミュニケーションを通じて提供される看護活動のこと


プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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