音楽

2023.07.19 09:00

BTSの生みの親も苦言、韓国の芸能界を揺るがすFIFTY FIFTYの独立騒動

Shutterstock

BTS生みの親の辛辣なアドバイス

このような攻防のなかで、韓国の「文春砲」ともいえる「ディスパッチ」というメディアで、ATTRAKTの社長に有利な証拠なども報じられた。
advertisement

攻防が続くなか、予定されていた世界的な大型企画がキャンセルされた。ハリウッド映画「バービー」のミュージックビデオ撮影のキャンセル、有名サッカー選手とのCMキャンセル、グローバル電子会社とのCMキャンセル、8月にロサンゼルスで開催される韓国カルチャーのフェスティバル「KCON LA 2023」にも不参加となった。

また、FIFTY FIFTYのメンバーの親たちが、裁判が始まる直前にグループ名の商標権登録を申請していたことも明らかになった。申請は商標権が適用される商品やサービスまで多岐にわたっている。放送、公演、エンターテインメント業、衣類、ジュエリー、文具類、サプリメント、コスメなど、商標がつきそうなほとんどの商品に対して商標権を出願している。

それより以前に、ATTRAKTは、英字の「FIFTY FIFTY」だけに商標権を出願していた。メンバーの親たちはハングルの商標がまだなのを確認して、出願を申請した様子である。
advertisement

こうした事態を韓国の芸能界も注目しているようだ。7月5日、韓国演芸製作者協会は、一連の事態について次のように批判した。

「最近、わが協会とメンバー会社は、厳しい条件にもかかわらず、デビュー数カ月でグループFIFTY FIFTYの奇跡をつくり出したATTRAKTが苦境に立たされたことについて注視している」

「芸能界に古くから行われているメンバーの引き抜きや事前接触などは、正常な企業活動を妨げ、会社と芸能人どちらにとっても良くない結果をもたらした」

「資本力を盾にした不純な勢力の日和見主義的な人材の引き抜きは、K-POPの根本をつくり出した製作者とアーチストの成長の根幹を倒す行為である」

「わが協会は、こうした行為に対して、けっして黙視せず、強力に対応する計画だ」

また、BTSを育てたバン・シヒョク氏も黙っていられなかったようで、FIFTY FIFTYのメンバーたちへの次のような辛辣なアドバイスを発信して、それはSNSでも流されている。

「所属事務所とアーチストは、信頼を持つべきだ。当然契約もあり、条件もあるが、それを互いに乗り越えられる関係になってこそ成功できるだろう。これまでアイドルや歌手としてデビューしても、テレビに顔も映してもらえず消えて行った人をたくさん見てきたが、彼女たちはいま与えられたチャンスがどれだけ大切なのか知るべきだ。もし、K-POPの次の顔になりたいという夢があるなら、いまのやり方は間違った方向であるということを認識しなければならない」

しかし、このBTSの生みの親の言葉も、いまのところ、彼女たちには届きそうにもない。

文=アン・ヨンヒ

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事