2023.07.17 13:30

今なら本物の「灯台」が買える お値段140万円から

残る2基の灯台はコネティカット州にある。ペンフィールド・リーフ灯台は、高さ15メートル余りの八角形の灯塔と2階建ての灯台守の宿所が特徴的なデザイン。ストラットフォード・ショール灯台は、ロングアイランド湾の中ほどにある砂利の浅瀬に築かれ、3階建ての宿所と高さ10メートル余りの灯塔を備える。

譲渡される灯台には、ロードアイランド州ナラガンセット湾に突き出たワーウィック・ネック半島の先端に立つ1827年築のワーウィック・ネック灯台、マサチューセッツ州にある四輪駆動車かボートでのみアクセス可能な1842年築のプリマス灯台(ガーネット灯台)、2世帯住宅とガレージが付いたコネティカット州のリンデ・ポイント灯台、メーン州のキャスコ湾北部に1827年に設置された灯台であるリトルマーク島モニュメントなどがある。これらの灯台は、非営利団体の引き取り手がなかった場合、一般向けに競売に掛けられる。

2000年に国定歴史的灯台保存法が成立して以降、GSAは100基を超える古い灯台を売却・譲渡してきた。売却価格は1万ドル(約140万円)から93万3888ドル(約1億3000万円)におよぶ。

では、これまでに灯台を購入したのはどんな人物だろうか。

ボーデン・フラッツ灯台(マサチューセッツ州)

マサチューセッツ州フォールリバーのトーントン川河口にあるボーデン・フラッツは、2010年にオレゴン州ポートランド出身のジェームズ・ニック・コースタッドに売却された。コースタッドは灯台を改修し、宿泊できる観光施設として一般公開。その後、宿泊客として訪れたケビン・フェリアスがこの灯台に惚れ込み、2018年5月に買い取った。フェリアスが提供する灯台守宿泊教育プログラムは、現在も広く人気を博している。

グレーブス灯台(マサチューセッツ州)

デイブ・ウォーラーとリン・ウォーラーの夫妻は、ボストン沖の小島に建てられた国定歴史建造物であるグレーブス灯台を、競売価格として最高額の約93万4000ドルで落札し、入念な回収を施した。ウォーラーはアウトドア雑誌アウトサイドに「ここにいると全世界は止まる。平和だ」と語っている。

フェアポート・ハーバー・ウエスト灯台(オハイオ州)

首都ワシントン在住の企業経営幹部シーラ・コンソールは、夏の別荘を探していてフェアポート・ハーバー・ウエスト灯台を見つけた。2011年に約7万ドル(約970万円)で入手し、今では夢のような生活を送っている。「驚くほど穏やかで静か。湖の中ほどにあり、見渡す限りが水面だ」「夜には満天の星空を眺められる」と英BBCに語っている。

forbes.com 原文

編集=荻原藤緒

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