欧州

2023.07.15 08:45

ワグネルに正規軍入り提案もプリゴジンが拒否 プーチン大統領が明かす

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ロシアのプーチン大統領は、先月に武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルに対し、正規軍傘下の部隊として戦闘を続けるチャンスを与えたが、同社創設者のエフゲニー・プリゴジンがこれを拒否していたことを明らかにした。ワグネル戦闘員の今後に疑問を投げかける発言だ。

プーチンはロシア経済紙コメルサントのインタビューで、プリゴジンを含む35人のワグネル指揮官と協議したと説明した。ロシア大統領府はこれに先立ち、反乱から5日後に協議が行われたと明らかにしていた。

AP通信によるインタビューの翻訳によれば、プーチンはワグネルに対し、これまで戦場で同社の部隊を率いてきた「セドイ(白髪)」の通称で知られる司令官が統制する部隊として、ウクライナ侵攻に引き続き参加する案を提示したという。ただしその場合、ワグネルの戦闘員はロシア国防省と契約を結ぶことになり、事実上、軍の指導下に置かれる。

プーチンは、ワグネルがもしこの提案を受け入れていたら、「戦闘員にとっては何も変わらなかっただろう」と述べ、協議に参加したワグネル司令官の多くがうなずいて賛成の意を示していたと主張した。

だが、この案はプリゴジンによって拒否された。プーチンによると、プリゴジンは司令官らがうなずいていることに気付かず、「彼らは同意しないだろう」と言ったという。

インタビューの中でプーチンは、戦闘部隊としてのワグネルの今後については明言を避け、ロシアの法律では民間軍事組織の存在は認められていないとのみ指摘した。

また、、プリゴジンをやゆするかのように、ワグネルの「本当の司令官」はこれまでも常にセドイだったとも発言した。コメルサントによると、セドイは過去1年4カ月間にわたり、戦場でワグネルの作戦を指揮してきたという。

プーチンとロシア大統領府はこれまで、ワグネルの戦闘員は国防省と契約を結んで事実上ロシア軍の傘下に入るか、ベラルーシに移動するか、戦闘から身を引くか選択できるとしてきた。これらの選択肢のいずれかが受け入れられたかは不明だ。

ワグネルと大統領府が結んだ休戦協定には、プリゴジンがベラルーシへの出国に同意することが含まれていたとされている。だが先週には、プリゴジンがロシアのサンクトペテルブルクに戻ったと報じられた。

ワグネルは先月の反乱で、「正義の行進」と称して首都モスクワに向かって進軍。ワロシア南西部の数都市を制圧し、ロシア軍機を数機撃墜した。これは20年にわたって権力を掌握してきたプーチンに対する過去最大の蜂起と見なされた。

プーチンは、ワグネルの反乱は「裏切り」であり、ロシアの「背中を刺す」行為だと非難。だが双方は最終的に反乱の停止に合意し、ワグネルの戦闘員は罪に問われないことになった。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子・編集=遠藤宗生

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