2023.07.16 12:30

ヒョンデ「アイオニック5 N」がEVの定義を変える


ブレーキはサーキットでの大きな力に耐えられるよう大幅に強化され、ヒュンダイは回生システムを油圧ブレーキと一体で作動するよう適応させた。

航続距離はまだ公表されていないが、200マイルから220マイル(約354km)と予想されている。標準車の800Vアーキテクチャーが引き継がれ、バッテリーは 18 分で 80% まで充電できる。



外観は標準モデルとは大きく異なる。より低く、より広く、より堂々としたスタンスとなり、全長は80mm、全幅は50mm拡大された。開発主査のアルバート・ビアマンが有名なドイツのニュルブルグリング・サーキットでの走行について語ったことが本当なら、内燃パフォーマンスカーに期待されるようなサーキット走行をこなせる唯一のEVだ。



フロントエプロンは、よりサーキットにフォーカスした外観を実現するためにアグレッシブに変更され、新しい「Nマスク」フロントエンド処理には、ブレーキ冷却用のアクティブエアフラップが組み込まれている。大規模なテストは〈ニュルブルクリンク〉で行われたが、ヒュンダイはサスペンションとハンドリングを調整するために、アイオニック 5 Nをイギリスの道路でも走らせたと強調した。ボディカラーのマットブルーも専用色であり、どこ見ても「あ、高性能のNバージョンだ!」と言わせる色にしたそうだ。

グッドウッドの初日に見たアイオニック5Nの発表会は、普段経験できない発表会だと思う。まずは、披露されたクルマのルックスや技術のレベルがトップクラスだけど、その詳細を紹介する3人の開発とデザイン担当は、インタビューの最初から最後まで笑顔のみだった。そんなに仕事に満足し、芯から嬉しがっている人たちなら、絶対いいクルマが作れると感じた。こんなに乗ってみたいEVはポルシェ・タイカン以来。日本のカーメーカーには、ぜひヒョンデに注目してほしい。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事