2. 何がセックスを「セクシー」にするかについての誤った理解
Psychology of Men and Masculinity誌に掲載された古典的な研究では、5万人以上の異性愛者の男女の回答を分析し、それぞれの性別がペニスのサイズをどのように見ているかを分析した。その結果、「自分のペニスは平均より大きい」と答えた男性は、おそらくそのために、自身の全体的な外見に満足していることがわかった。しかし、自分のペニスのサイズに満足していると回答したのは、調査対象の男性の55%に過ぎなかった(45%の男性はもっと大きなペニスを望んでいた)のに対し、調査対象の女性の過半数は、パートナーのサイズは適切だと主張していた。
これは示唆に富む結論である。男性はパートナーを性的に満足させるために、ペニスの大きさを過大評価してしまっているのかもしれないのだ。
つまり、ペニスのサイズといった、自分ではコントロールできないものに注目するよりも、自分とパートナーにとってセックスをより楽しいものにするために時間と労力を投資するほうが、セックスライフを活性化させる効果的な方法であろう。ここでは、パートナーとの性的な親密さを築くのに役立つ2つのヒントを紹介する。
・問題は「寝室の外」にあり。家事分担の不平等感は性欲を減退させる
Archives of Sexual Behaviorに掲載された2023年のある研究によると、女性の性欲の低さは、家事の分担の不平等に起因している可能性がある。家事の分担が不平等であると感じている女性は、パートナーが自分に依存していると感じ、性欲を減退させたという。・セックスは作業ではなく、遊びであると理解する
心理学者のコーリー・ペダーソンは、「男性は、利他主義や酩酊、性的経験の浅さ、仲間からのプレッシャー、人気、性の役割の懸念などから、性的に従順であろうとするのかもしれません」と説明する。ペダーソン博士は、2022年にPsychology and Sexuality誌に掲載(共同執筆)された研究で、性的役割についての固定観念が、異性愛者の男性に、同意の上でありながら「本当は望まない」性行為をさせる可能性があることを明らかにした。より快楽を意識するように考え方を変えることで、性的なパフォーマンスや、パートナーを満足させなければならないというプレッシャーを軽減することができる。その意識変革はまた、寝室でペニスのサイズからセックスの楽しさに焦点を切り替える効果的な戦術となる。
結論
私たちの社会が男性らしさとサイズの重要性を枠にはめることは、認識を歪め、不十分な感情を増幅させる可能性がある。研究によると、男性のペニスの大きさは、開放的なコミュニケーションや感情的な親密さ、パートナーの性的なニーズや欲求を理解することなどの要素に比べると、性的な満足度にあまり関係がないことが分かっている。いずれにせよ、多くのペニスの増大手術や治療が性的、精神的、肉体的な健康を害する可能性があることを考えると、こうした治療に魅力を感じすぎることに、疑問を感じずにはいられない。
(forbes.com 原文)