グーグルが6月30日に署名した和解案によると、サウスカロライナ州のグーグルのデータセンターに勤務していたチューズデー・カルネという契約社員は、2021年12月に不当労働行為を主張してNLRBに提訴した。カルネは、ミーティングで会社の休日給与方針について不満を述べた後、派遣元のモディスに違法に解雇されたという。解雇通知でモディスは、この行動が容認できず「グーグルらしくない」と述べていた。
「グーグルらしさ」という概念は、グーグルではよく用いられるもので、曖昧ではあるが採用ガイドにも記載されている。この言葉は、一般的にフィードバックを受け入れる姿勢や、積極性などの会社で成功するための資質を指している。
しかし、同社の従業員や契約社員を代表するアルファベット労働組合によると「グーグルらしくない」という表現が、態度の悪い労働者を指す場合もあるという。グーグルとモディスは、この件に関するコメント要請に返答しなかった。
和解の一環として、カルネは未払いの賃金を受け取るが、復職の権利は放棄された。モディスはまた、カルネの解雇を撤回したことや、賃金や労働条件について議論しても契約社員が罰せられることがないことを明記した印刷物を職場に掲示することを義務付けられた。
今回の件でカルネは声明を発表し「モディスとグーグルが、私を解雇した決定について説明責任を果たすよう求められたことをうれしく思う。私は、彼らの決定によって予期せぬ重大な経済的危機に直面させられただけでなく、自身のために発言したことを恥ずかしく感じさせられた」と述べた。
グーグルの契約社員らは、他にも不当な労働条件に抗議している。今年初め、検索エンジンの検索結果の品質を評価するレイター(raters)と呼ばれる労働者たちは、数カ月にわたって低賃金を抗議し続けた結果、ベンダーのAppen(アペン)からようやく時給の引き上げを勝ち取った。
また、3月にNLRB は、ユーチューブで働く契約社員にも組合を結成する権利があるという判断を下し、4月にYouTube Musicで働く契約社員が歴史的な組合投票を勝ち取った。しかし、グーグルはNLRBの決定を不服としている。
グーグルの労働者は長年、会社に対する抗議活動を行っており、過去には、国防総省との契約や中国での取引、上級幹部のセクハラ疑惑への対応に反対するデモが行われた。
(forbes.com 原文)