IVSは2007年にはじまり、これまでもインターネット関連企業の経営者たちが集い、日本のスタートアップエコシステムの発展に貢献してきた。今年は、京都府の京都市勧業館「みやこめっせ」で、3日間にわたって開催。最終日の30日には、「スタートアップ経営塾 藤田晋 vs 次世代メガベンチャー」として、サイバーエージェントの代表取締役である藤田晋が若手起業家からの質問に答えた。
藤田は24歳だった1998年にサイバーエージェントを立ち上げると、創業2年目には東証マザーズ市場に上場を果たす。その後もゲームやネットテレビなど多くの事業で業績を伸ばしてきた。
そんな藤田に、以下4人の起業家が悩みや疑問をぶつけた。
・ミラーフィット代表取締役社長 黄皓
・ROXX代表取締役 中嶋汰朗
・ビビッドガーデン代表取締役社長 秋元里奈
・UPSIDER代表取締役 宮城徹
Q. 社内における忠誠心をどのように作った?
中嶋:サイバーエージェントはベンチャー企業の代表格であり、社員からも愛されている印象があります。社内における忠誠心や会社愛をいかに作ったかを聞きたいです。藤田:事業に対する洞察力と同じくらい、人や組織に対する洞察力も重要だと思います。私自身、学生時代のアルバイト先であるベンチャー企業の専務から、「社長になりたいんだったら、感性を磨け」と言われて意識してきました。
当時、「感性を磨くにはどうしたらいいですか」と聞いたら、その答えは「本や映画、舞台などをたくさん見て、人々が何からモチベーションを得て、喜びを感じ、誇りに思うのかを学べ」というものでした。今でも年間100本は映画を見て、本も雑誌も新聞も読み、舞台にも足を運んでいます。
そうやって人に対する洞察力は磨いてきたと自負しています。会社が社員のことを大事にしたら、社員も会社が大事だと考える。それに、よい事業ドメインを選び、やる気がある優秀な人材を登用して会社を成長させていこうと考えれば、よい事業を選ぶ洞察力と同レベルで、人をやる気にさせる洞察力は必要になります。